紋付袴姿で花道から登場した八代目菊五郎は、ティファニーから贈呈された祝幕を眺め感無量の表情。
襲名については「先人から名前を受け継ぐだけではなく、技や心を継ぎ、その受け継いだことを世界に広く伝えていくというのが襲名だと思っております」と語った八代目菊五郎。「これから菊五郎菊之助として、伝統を、歌舞伎の良さを世界の皆様に広めていきたいと思っていたところに、ティファニー様からお声がけをいただきまして、まさに伝統を世界の皆様にお伝えする公演になるのではないかと思っております」と明かした。
会見終了後の退場時には、再び立ち止まって祝幕を眺め「すてきですねえ」としみじみつぶやき、報道陣に笑顔を見せて舞台袖から退場していった。
祝幕とは、今回のような襲名披露の際に、後援会や贔屓から俳優に提供される特別な引幕として、定式幕の替わりに用いられるもの。歌舞伎座では通常、黒・柿・萌葱の「定式幕(じょうしきまく)」を引幕(ひきまく)として用いる。
襲名興行の2ヶ月目「六月大歌舞伎」での祝幕は、グローバルラグジュアリージュエラーであるティファニーからの贈呈で、日本画家で鎌倉女子大学教授の大河原典子氏が原画を手がけた。画題は「菊富士曙(きくふじあけぼの)」。