同作は明治・大正・昭和を駆け抜けた作家・宇野千代さんをモデルとする物語。
宇野さん(1897~1996)は山口県の岩国に生まれ、23歳で懸賞小説に応募し、当選。作家としてデビューする。上京し、作家として活躍しながら、1936年には、ファッション雑誌『スタイル』を創刊。エッセイやコラムなど人気を博すも、戦争の激化とともに廃刊を余儀なくされる。
終戦後、『スタイル』を復活させ、さらに着物のデザインや販売も始める。1957年に代表作である『おはん』が野間文芸賞を受賞。
同放送局で会見に出席した石橋は「このたび、ブラッサムの主人公・葉野珠(はのたま)を演じさせていただきます。はじめてこういう声をかけていただいたと来たときはびっくり青天の霹靂とはこのことか!未だにびっくりしている。宇野千代さんのについて、いろんな本を読み漁っていくうちになんて素敵なひとなんだ。長い時間かけてスタッフと掘り下げていけるんだなと思うと、とてもうれしいです」とあいさつした。
連続テレビ小説は、今田美桜が主演の『あんぱん』が放送中。26年度前期の『風、薫る』では見上愛が主演。W主演でもうひとりはオーディションで決定する。
■物語
明治三十年(1897年)、主人公・葉野珠(はの・たま)は山口県の岩国に生まれた。実母は珠が2歳の時に亡くなり、父と後妻である継母によって育てられた。女学校を卒業後、代用教員として働き始めるが解雇され、故郷の岩国を追われることになる。親戚を頼って上京したことで、珠は幼き日の夢を強く意識し、小説の懸賞応募から、作家の道を切り開く。
しかし、世の中は価値観が大きく揺れ動く時代。
大正から昭和にかけて、関東大震災と戦争、結婚と離婚、倒産そして借金…と、珠は、さまざまな困難にのみ込まれながらも、作家として生きることに向き合う。そうした中で、小説家として花を咲かせる。
時には敵を作り誤解され、傷つけ傷つきながらも、自由を求めて生きることに正直であり続けた珠は、小説に思いを忍ばせることで、読む人に「幸せ」を運んでいく。