現実と幻想、現在と過去が溶け合うそれぞれの物語は、叙情的に紡がれる言葉の数々で、人々の中に眠る普遍的なロマンを呼び起こす。
2年ぶり2度目のタッグとなるが金氏は「安田章大のすごさを(以前共演した)MILANO-Zaの何十倍もみせつけられて楽しくて仕方ない」と感激。さらに「うちの劇団員と変わらないレベルで、仲間の一員としてこの4日間このテントの作業をしているんですよ。朝から晩まで!」と神社の境内に建てられた芝居小屋の設立に参加していたことを明かした。
前日も朝9時に来て、午後11時までの色塗りまでやっていたという安田は「1日目軸を立てるときはどうしても仕事がかぶっていて…朝から10時までの3時間。その次の日は朝から晩まで」と報告。すると、金氏は「この客席は僕と2人で作りました!テント役者として基礎から叩き込んでいます」と胸を張った。
そんな安田は「テント役者は一つ一つ自分たちで作るんだ、と教えていただきました。来てくださった方は僕は作った席かもと思って座ってください」とほほ笑み。「劇団のみなさんが輪になって大きな渦、唐さんの大好きな渦、ジグザグした渦をつくっている中に入らせてもらえた。ありがたい環境」としみじみ。
「去年はお祭りだった。大スターが集まって。(今年は)劇団員と変わらないところから溶け込んで。研修生のみなさんとも溶け込んで。こんなスーパーアイドルといます?」と終始、興奮気味の金氏に、安田は「ドームというところとこういう場所でなんら変わりはない。そのなかでなにを届けたいのか。実質の距離ではない」と言い切り、舞台への真摯な思いをのぞかせていた。