今作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公の白鳥健治役(磯村勇斗)が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として派遣され、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。主人公にとっての良き理解者となるヒロイン・幸田珠々(堀田)、理事長・尾碕美佐雄(稲垣)、さらに生徒や教員たちが物語を織りなす。
キービジュアルなどを担当した清川氏は「最初にお話をいただいたとき、“見えないルールの中で生きようとする人々”が、とても今の時代的で、すごくひきつけられる魅力的なテーマと感じました。タイトルの『僕達はまだその星の校則を知らない』という言葉にも強くひかれて、『星』と『校則』が結びつくことで生まれる違和感と詩的な響きが、まるで異星に降り立ったような感覚になり、現実と幻想、ルールと自由のあいだで揺れるような、そんな世界を視覚化したいと思いました」と振り返る。
ビジュアルで描いた主要キャスト3人にも言及。磯村については「内側に深い感受性を秘めている方。静けさの中に爆発的なエネルギーを感じて、今回の“心で物事を感じとる”主人公像にとてもリンクして、ピッタリ」、堀田の印象は「いつも柔らかい透明感がありながらもどこか芯の強さを感じる素晴らしい女優さんです。彼女が演じることで、この物語に“信じること”の温度が宿ったように思います」、そして稲垣に対して「ご本人も常に現実と幻想の間を自在に行き来できるような存在感。役柄にも近い、少し超越したような雰囲気があり、この物語のもう一つの軸になりそうで楽しみです」と期待を寄せた。
清川氏の作品は、写真に刺繍を施すという独特な手法で知られ、今回のビジュアルでもそれが生かされた。「オープニング映像やキービジュアルでは、“見えないものを視覚化する”ことに挑戦しています。例えばキービジュアルでは、夜空に糸やビーズを写真に重ね、まるで感情や記憶、希望がにじみ出るようなきらめく質感を加えました。
そして「このキービジュアルの星空に込めたのは、“規則の怖さ”と、それでも生まれてくる“希望”です。人は知らず知らずのうちに“見えない校則”に縛られ、それに適応しようとする。でも、その中で本当に守るべきもの、自分の心にしか聞こえないルールに気づけたとき、初めて人は“自分の星”で生きていけるのかもしれません。そんなメッセージが、映像やビジュアルのどこかに滲んでくれたらうれしいです」と呼びかけた。
本編映像を使用した60秒PR動画も公開された。
■第1話あらすじ
弁護士の白鳥健治(磯村勇斗)は、独特な感性を持ち、感覚が周囲と違うことやマイペースな性格で集団行動になじめず、不登校になった過去がある。現在、小さな法律事務所で働く健治は、恩人でもある所長の久留島かおる(市川実和子)の命により、学校で発生する問題について、法律に基づいた助言や指導を行うスクールロイヤーとして「濱ソラリス高校」に派遣されることに。ところが、尾碕美佐雄(稲垣吾郎)が理事長を務める「濱ソラリス高校」は男子校の「濱浦工業高等学校」と女子高の「濱百合女学院」が合併したばかりで、校内では次々と問題が勃発。なかでもジェンダーレスを意識した新しい制服の評判は悪く、着用を拒否する生徒もいるほどだった。
そんななか、3年生の生徒会長・鷹野良則(日高由起刀)と副会長・斎藤瑞穂(南琴奈)がそろって不登校になる前代未聞の事態が発生。