俳優の駿河太郎、三船美佳がMCを務める、MBSテレビ『住人十色~家の数だけある 家族のカタチ~』(毎週土曜 後5:00 ※関西ローカル)のきょう28日放送回では、「コンクリート」と「スキップフロア」の最強タッグで狭小を克服した家が登場する。

 東京都大田区に暮らす住人(アルジ)は、建築家として独立した夫と会社員の妻。
2年前、夫の設計で家を建てた。ビルのような見た目のコンクリート建築は一見大きく見えるが、建坪は9.5坪。わずか駐車場2台分ほどの広さしかない。だが、道路に面した黒い玄関扉は幅が家の半分の2.5メートルもあり、大きな引き戸を開けると、中には9.5坪とは思えない巨大な空間が広がる。1階は玄関ホールと、夫の設計事務所。天井は高いところで3.8メートルもある。

 元建設会社の同僚として出会ったアルジ夫妻。結婚後、埼玉の社宅から東京都心へ1時間以上かけて通勤していたが、家を建てることに決めた。満員電車が苦手な妻は通勤を考えて都心の家を強く要望。そこで見つけたのがアクセス抜群の大田区の土地だった

 建坪はわずか9.5坪のため、コンクリートを選び、加えて床の高さをずらして配置する「スキップフロア」を取り入れた。ワンルームに5層の床をずらして配置することで空間を広く使えるようにした。「柱をあまりたてたくなかった」という夫の考えから柱はゼロ。
コンクリートを使うことで大空間と高い天井を実現。例えば木造なら4面の壁がないと建物の強度を保てないところ、コンクリートを使えば3方向の壁だけで強度を保てるため、家の正面に大開口の玄関や窓を設けることができた。

 スキップロアの3層目にある天井高5メートルの大空間は夫妻がくつろぐリビングダイニング。段差をいかして、リビングの床を家事の作業台やテーブルとして使うなど、空間をあますところなく活用している。5層目の最上階は水回りを集約した。部屋を見下ろすガラス張りの浴室は、妻が「露天風呂みたいなお風呂を」とリクエストしたものだという。浴室やトイレなど水回りのすべてを最上階に配置できたのも、強度があり、防水性も高いコンクリートだからこそのメリットだ。

 狭小住宅でも大空間を実現した家。夫は、「一見、不便そうには見えますけど、それに代わる豊かさがある。自分たちでちょっとずつ手を加えながら楽しく住んでいます」と語る。
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