三谷氏が2012年より作・演出を手掛ける古典エンタテインメントである三谷文楽の13年ぶりとなる新作『人形ぎらい』が、8月16日~28日に東京・PARCO劇場にて上演される。
取材会では、三谷氏のほかに一輔氏、簑太郎氏、簑悠氏が登壇し、ミニ文楽入門が開講。世界的にもめずらしいという3人遣いの緻密な連携で、女形の人形のしなやかな動きが解説された。真剣な表情で解説を聞いていた三谷氏は、興味津々で一輔氏に質問しながら、人形遣いのプロフェッショナルな顔に感心を見せた。人形の泣く姿や悔しがる姿の演じ方が説明されると、三谷氏は「怒りはどういうふうにやるんですか」とリクエスト。そのリクエストに、一輔氏ら3人がサッと人形を動かし、殴りかかるような仕草を演じさせると、人形の足元に潜り込むようにして操っていた簑悠氏を三谷氏が覗き込み、「どういう気持ちで…?」と質問し会場に笑いが起こる一幕もあった。
文楽の魅力について、三谷氏は一輔氏の言葉を引用し、「人間ができることが人形にできないことなはないんですね」と熱弁。続けて「それでいて、サイズが人間より小さいから凝縮している感じがすごくしていて」とし、「人間社会の縮図みたいなものをすごく感じるし、感情も凝縮されて現れる感じが深い」と語った。
また、三谷氏は「三谷文楽」の始動のきっかけについて、「15年くらい前になるんですけど、舞台をやったときに羊さんの知り合いで文楽のスタッフの方がいるというので紹介していただいて」と俳優の吉田羊の紹介からだと告白。