田中と遼河が訪れたのは都内某所。
目を引く黒い土壁は、墨を入れて調合したそうで約20人の左官職人を集めて一日で仕上げた。中に入ると、そこにも空間を仕切る土壁。そして、もともと細かく仕切られていた間取りは壁を取り払い、31.5帖の2面から光と緑を取り込むリビング・ダイニング・キッチンが出来上がった。一方で、できるかぎり古材を再利用し、家の歴史を残した工夫も施した。
キッチンは、公園の緑を眺められる場所にあり、造作でイタリアの天然の大理石を選び好みの家電をビルトインした。アイランドの前と後ろにも収納たっぷりのキッチンに仕上げた。遼河も「この緑に向かっての立ち位置とイタリアの大理石が効いてますね」と絶賛する。
英国・オックスフォードの大学院で出会った家主夫妻。結婚後、ロンドンで就職していたが、子どもが小学校入学時に帰国し、家探しを始めた。
このほか、神奈川県伊勢原市にある「中庭を囲む音と開放感にこだわった家」を紹介する。