家の外観は、蔵を思わせるイエ型。中央の大きな窓や、墨色の左官仕上げの外壁が落ち着いた雰囲気を醸し出している。内部は天井高3.6メートルの大空間で、吉野桧の錆丸太を大黒柱に据えた田の字プランが印象的。建主が所有していた古道具の食器棚の色合いに合わせて内装が整えられ、どこか懐かしくもモダンな佇まいに仕上がっている。
玄関土間には机を造作し、仕事場として活用。居間には床の間を想起させるベンチが設置され、南側にはウッドデッキとテントサウナも設置されている。まさに“実家ver2.0”と呼ぶにふさわしい、リラクゼーションと機能性が同居した空間だ。
2階は屋根裏のような雰囲気で、スノコ状の廊下が空気の流れを促す設計。北西側の予備室は、戸を引き出すことで個室にもなり、南側は寝室と浴室を一体化。大きな窓からは隣接施設の庭を借景として楽しめる。
竣工:2023年10月
敷地面積:95.8平方メートル(29.0坪)
建築面積:38.2平方メートル(11.6坪)
延床面積:76.5平方メートル(23.1坪)
構造:木造在来工法
設計:浜田晶則/浜田晶則建築設計事務所