放送中のドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)の竹千代役をはじめ、競技かるたをめぐる青春映画「ちはやふる」シリーズ、連続テレビ小説『おちょやん』『らんまん』(NHK総合)、ドラマ『罠の戦争』(関西テレビ)、映画『アンダーニンジャ』など数々の作品に登場し、高い演技力と強烈な存在感で視聴者を引き付けている。
午前はまず、メディア向けの囲み取材に対応。本のタイトルでもある「ちゃ舞台」に込めた「あたりまえの日常こそが人生の舞台だ」というポリシーについて説明。また本書で提唱する「あきらめ活動」略して「らめ活」についてもアピール。「あきらめ」というフィルターを通じて日常をのぞくことで、隠れた価値を明らかにしてほしい。自分が普通と思っているものこそ、他の人にとっては特別だったりする、などと熱を込めた。
第一部のソロトークでは、イベントスペースぎっしりの参加者と、ちゃぶ台を囲むほどの距離でアットホームな雰囲気に。坂口が、事前に集められた参加者からの質問に回答していくスタイルで進行した。
本を出すことに至った経緯や、本書に登場するエピソード裏話など、笑いやユーモアを交えながら語る姿はさながら一幕の演劇のよう。読者へ感謝を伝える場面では感極まって涙ぐむ瞬間も。参加者もそれを温かく見守った。
第二部は、ゲストに坂口の友人であり、今年第172回芥川賞を受賞した安堂ホセ氏が登場。本書の内容にちなみ、トークテーマを「あきらめ」として語り合った。
2人が友人になったきっかけや、エッセイ執筆にあたり坂口が安堂氏にアドバイスを求めたエピソードなど披露。参加者から寄せられた「中学生におすすめの本は?」「会ってみたい人は?」「長期的な目標は?」などの質問に、軽快な言葉で答えていった。「誰かあとひとり探して一緒に『ボクらの時代』に出たいね」とも話し、客席から拍手が起こった。続くサイン会も大盛況。坂口の新刊だけでなく、安堂氏の書籍を買い求める参加者も続出した。
トーク&サイン会終了後は、同店の店頭で、坂口自ら“手売りデモ販売”を実施。イベント抽選に漏れた人も参加できる形式にし、イベントを盛り上げた。
同イベントでは、新刊のほか、今回のイベントに合わせて坂口自ら製作したTシャツやアクリルスタンド、ステッカーなどオリジナルグッズも販売。「書店業界を売上で応援するため」と、かつて服飾学校に通っていた経験も活かして制作したというグッズは予想以上の売れ行きを見せていた。
■本人コメント
私はいろんなことをあきらめてきました。
あきらめたら、あきらかになったこと。
あきらめたら、らくになったこと。あきらめたら、うまくいったこと。
これはあらゆることをあきらめてきた私の「あきらめの記録」です。
あきらめることをあきらめない、煩悩まみれで怠惰で無謀で、ちゃぶ台の前でだるまのように転げ回りながら生活する私の「生活記」です。
あなたもあきらめて、私と一緒におどりませんか?