シリーズは映画公開から20年以上が経った今もなお、その魅力が色あせることなく、世界中の人々を魅了し続けている。
店内を見学したフェルトンは、スリザリン寮のアイテムを前に「全部持ち帰りたい!」と笑顔を見せ、「魔法ワールドのデザインは全部好き。特にスリザリン・グリーンは唯一無二の特別な色」と、魔法界への深い愛着を語った。自ら「トムさん」と名乗り、「グリフィンドールの方はお帰りください」と冗談を飛ばすなど、シャイでユーモラスな一面も印象的だった。
原宿店は、ホグワーツ魔法魔術学校の敷地内に広がる「禁じられた森」をコンセプトとしている。フェルトンは「僕が初めて“禁じられた森”を歩いてから25年以上経っていることに興奮しています」。3作目『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)に登場したヒッポグリフのバックビークのディスプレイを前に、「前回(撮影時)はいい思い出がなかったから」とうやうやしく一礼するお茶目な姿も見せた。
フェルトンの初来日は映画6作目『ハリー・ポッターと謎のプリンス』公開時(2009年)。空港で自分を待つファンを見て「最初は誰か別の人を待っているのかと思った」という。それ以来、日本のファンを「とても情熱的でありながら礼儀正しい、日本らしい独特な魅力がある」と評し、「日本は僕にとって特別な場所」になったという。
「ファンの熱意はこれまでになく高く、まだ小さかった頃のどんな興奮よりも強いものがあります。
日本では、フェルトンが演じたドラコ・マルフォイは高い人気を誇っている。「ハリーとドラコはコインの表と裏。ドラコには家族も地位もあるが、その環境の犠牲者でもある。そこに共感してくれるのかもしれない」と真剣に分析しつつ、「あとは僕がすばらしい俳優だからかな」とおどけ、すぐに照れ笑い。
そして「僕もポッターヘッド(熱心なハリー・ポッターファン)です。映画の撮影を通してどんどん好きになり、たくさんのものを与えてくれました。魔法ワールドはいつも僕の中にあって、孤独を感じる時でも前向きな気持ちにしてくれる」と、その魅力を語っていた。
『ハリー・ポッター』に出演していなかったら?と問われると、「想像しにくい。母がオーディションに連れて行ってくれたおかげで今がある」と母への感謝を口にした。
日本でやってみたいことについては、「ゴルフが好きだから、日本のゴルフコースをまわってみたい。ハリー・ポッター ショップ原宿でファンと一緒にバタービールで乾杯したい。
シャイでユーモラス、そして誠実な彼の言葉の一つ一つからは、『ハリー・ポッター』シリーズとそこに関わった人々への感謝が感じられた。魔法ワールドを愛し続ける“トムさん”の姿に、ファンはこれからもきっと笑顔と勇気をもらい続けるだろう。