敷地に建つのは建築面積11坪の3階建て。外壁は1階がレッドシダー張り、2・3階はジョリパット仕上げで、縦に並ぶ正方形の窓が外観のアクセントになっている。玄関を入ると約10畳の土間が広がり、建主が営む会社の事務所やキャンプ道具置き場として活用。天井の一部は3階まで吹き抜けになっている。奥にはスクリーンで仕切れる小上がりがあり、客間としても使用可能だ。
小上がりの掃き出し窓から出られる広いウッドデッキの南面には、建主の登山歴を反映した高さ9メートルのクライミングウォールを設置。建主はかつて8000メートル峰に挑戦した経験を持つ元登山家で、上部がオーバーハングした難易度の高い設計となっている。
2階は約19畳のLDKで、窓からは緑豊かな借景が広がる。台所はアイランド型で、吹き抜けを通して上下階とつながる開放感が特徴。3階は個室ゾーンで、主寝室には南と西の2面に窓を配置。南側は二重窓となっており、その間に吹き抜けが通っている。さらに3階と屋上には2層のバルコニーがあり、下段で野菜の苗を育て、上段からは360度の眺望が楽しめる。
竣工:2020年6月
敷地面積:94.3平方メートル(28.5坪)
建築面積:36.8平方メートル(11.1坪)
延床面積:99.9平方メートル(30.2坪)
構造:木造在来工法
設計:堀泰彰/ディンプル建築設計事務所