TBSの田村真子アナ(29)が、27日に自身初のフォトエッセイ『陽がのぼるほうへ』(太田出版)を刊行する。このほど行われた取材会で、同書についてはもちろん、担当している『ラヴィット!』(月~金 前8:00)について率直な思いを語っていった。


 書籍の内容にちなみ「『ラヴィット!』への緊張がほぐれてきた瞬間は?」と向けられると「2段階あります」と前置きしつつ「『ラヴィット!』自体、けっこう番組の内容が変わってきていますよね。始まった頃は、本当に番組の進行とか流れに慣れなきゃいけないっていう時期があって、芸人さんたちがワイワイやっているのに入って楽しむ余裕がなかったんですね。その時はまず進行という立場に必死で。最初の頃は情報を紹介するコーナーがあったりした時期なんですけど、それに慣れ始めたなという時期がちょっとあって」と回顧。

 続けて「そこからしばらくして、オープニングの時間が伸び始めるっていう時期に入りまして(笑)。30分でも長かったのが、1時間とかになり始めて、最終的には2時間丸々オープニングみたいな時期になって、またゲームとかいろんなことが増えると、進行がまた1段階大変になるんですね(笑)。今、赤荻歩アナがけっこう進行を担当するところもあるんですけど、ひとりでやっていた時は、めちゃくちゃ大変というか。ビリビリイスを自分も受けなきゃいけないから、いっぱいいっぱいでビリビリイスが本当にすごく嫌な時期があったんです」と笑顔でぶっちゃけた。

 その上で「それがけっこう長くて、赤荻さんが登場してからもしばらくあったんですけど、今よりも頻繁に、ほぼ毎日ゲームでビリビリをかけてやっている…みたいな時期があって。人間、やっぱりすごい頻度で来ると本当にもう嫌になってきて、この後ビリビリのゲームがある、ビリビリを受けるかもしれないって思うと、進行しなきゃいけないんですけど、そっちに意識が囚われすぎて。出ているカンペも視界に入らないみたいな、ちょっと飛んでるんですよ、そっちに頭が(笑)。そういう時期があって、その頃は本当に気疲れするというか、気合いが必要なタイミングではありました。
そこから、また皆さんと一緒になって楽しみつつ、いろいろと自分の仕事もできるようになりました」と声を弾ませた。

 書籍化にあたっての発見もあったようで「昔のエピソード、高校生時代の話を書いたりする上で、自分のことを思い出したり、大学、高校時代の友人にも文章を書いてもらったことで気づいたんですけど。社会人になってからは、立場もあるので、自分は真面目な方だと思っていました。『ラヴィット!』で芸人さんたちとご一緒していても、やっぱり芸人さんたちがすごく面白くて、ひょうきんな方が多いので忘れていたんですけど、私も素の自分、過去を思い出してみると、友達とか周りからみ(見)たら、なんていうか、ひょうきんというか、けっこうわけのわからないことを言ったりやったりするような人間だったな」とにっこり。

 さらに「だからこそ、こうやって『ラヴィット!』で仕事をしていても、楽しく芸人さんたちと一緒にワチャワチャやったり、ゲームしたり、ビリビリ受けたりしていられるから、私多分根本的にそういう人間なんだなと思って。アナウンサーとしては、『ラヴィット!』に入っている上でちゃんとしてなきゃいけない。こっちがしっかりしているから、番組が安定してるって思ってもらえるようにならなきゃと思っている部分もあって。一応そういうバランス感覚で仕事はしているんですけど、多分根本的には芸人さん側というか、多分そっちの人間なんだろうなっていうのは。もちろん、みなさんほど面白くはないですけど、それはちょっと気づきました」と茶目っ気たっぷりに明かした。

 学生時代のひょうきんな一面にも触れ「みなさんやるかもしれないですけど、芸人さんのものまねをやったりとか。はんにゃさんが流行っていたから、ズクダンズンブングンゲームとかめっちゃやっていたなとか(笑)。自分で言うのあれなんですけど、私ってけっこう面白い子だったって言われることが多くて(笑)。
ちょっと今大人になっちゃったんで、この仕事をしていてそこまで全部をさらけ出して、素をなかなか出す機会はないんですけど、本来そういう人間みたいです」と笑わせた。

 入社以来、激動の20代を過ごしてきた。「本当にあっという間というか、もう『ラヴィット!』が始まって5年目になりますが、特にこの2年間とかがもうめちゃくちゃ速くて。この1年、この半年なんか、どんどんスピードが短く感じていて。でも私なりに、やっぱり20代は、少しぐらい大変でも、今頑張っておいた方がいいだろうなという思いがずっとあって、駆け抜けてきています」とした上で、その思いを語った。

 「マラソン走ったことないんですけど、マラソンの後半3分の1ぐらいを永遠に走っているみたいな(笑)。特にここ2~3年は、そういう日々な感覚です。大変なこともあるけど、絶対振り返った時にこの時期が自分の中で大きかったなって思えるっていうのは、今確信しているので、頑張っています」

 「この本を読んでほしいラヴィットメンバー、読んでほしくないラヴィットメンバーは?」との質問には、やや悩みながらも見事に回答した。「川島(明)さんは帯を書いてくださったので…。あとは、私の本を渡されても困るんじゃないかなと思うのですが、おいでやす小田さんはエッセイを書いていることを褒めてくださったので、小田さんには見ていただきたいです。山添(寛)さんには読んでもらいたくないかもしれないです(笑)。私の頭の中のこととかを書いているので『意外と考えるタイプやったんや』とか。
もちろん読んでいただけるとうれしいですが、オンエアとかで、また何か言われないかなと、ちょっと怖いです(笑)」。

 田村アナが、カルチャー誌『Quick Japan』と公式Webメディア『QJWeb』で毎月掲載していたエッセイ連載に、書籍オリジナルコンテンツを加えた自身初となるフォトエッセイ。連載原稿のほか書き下ろし原稿を加えた15篇のエッセイと、60ページ以上の大ボリュームのフォトストーリー、さらに親友・近藤千尋との対談インタビューや連載写真のフォトアルバムで構成されている。
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