俳優の清原果耶が主演、成田凌、ナ・イヌが共演する、TBS系火曜ドラマ『初恋DOGs』(毎週火曜 後10:00)。常に「高みを目指す」をモットーに、ソハの実家である韓国屈指の大財閥との関係作りにも奔走する本澤・マッカーシー法律事務所の所長・本澤恵太。
やり手で野心に満ちた弁護士でありながら、スイーツ好きという一面も持つユニークな本澤を岸谷五朗はどう演じているのか。役へのアプローチから、現場の雰囲気、そして自身の過去との共通点まで語ってもらった。

■弁護士事務所の美術が、本澤のヒントに

――脚本を読んだ時、どんな印象を受けましたか?
キュンキュンしましたね。犬の“一目ぼれ”から始まるような、偶然が重なる出会いなんて、まさにドラマ的だなと。しかも、日韓共同制作ということで、韓国のエッセンスも入っていて、ちょっとしたコメディタッチもありつつ。こういうラブストーリーの作り方もあるんだなと新鮮に感じました。

――役を演じるうえで意識していることはありますか?
弁護士事務所の空間づくりが本当に凝っていて、普通じゃない設定なんですよ。装飾や美術が、この本澤という役を形作る大きなヒントになっています。今の時代、オフィスも多様化していますけど、本澤はその最先端を行きたい人。彼の価値観が空間にも表れているようで、すごく面白いなと思いました。

■野心の裏にある、純粋な情熱

――本澤とご自身に共通点はありますか?
彼は“満足しない男”なんですよね。常に「もっと上に行かなくては」と考えている。
それって実は、僕自身の生き方にも通じるところがあるなと感じました。

あと、彼が司法浪人時代に4畳半のアパートで暮らしていた過去が出てくるのですが、僕も若い頃、劇団時代にまさにそんな生活をしていて。貧しい時代を経て今があるからこそ、簡単には現状に満足できない。その思いが本澤にもある気がして、すごく共感しました。

――本澤の野心的な姿勢は、どこから来ていると思いますか?
やっぱり苦労してきた分、チャンスを逃さないようにしているんだと思います。そして、同じ職場の仲間たちが幸せな顔をしているのが大事な人でもある。だから一見、野心が強く見えるけれど、それは「もっと事務所を良くしたい」という純粋な思いからなんですよね。

本人は決してヒールではない。ただただ、アジアに進出したいとか、もっと上を目指したいという気持ちが前面に出ているだけなんです。

■匂いで癒やされる、極上のオフィス空間

――印象に残っている撮影エピソードはありますか?
本澤が“スイーツ大好きおじさん”という設定なのですが、実は僕もスイーツが大好きなんですよ。そこはシンクロしています(笑)。撮影が終わると、いつも「これ持って帰っていいですか?」ってスタッフに聞いて、消えもの(小道具の食べ物)を箱に入れて持ち帰っています。
ワインと合わせて楽しんでいます。

――劇中にも、オシャレなスイーツがたくさん登場しますね。
そうなんです。自分ではなかなか買いに行けないような最先端のスイーツが揃っていて。ちなみに彼のデスクにはGODIVAの箱が置いてあるんです。映っていないかもしれませんが(笑)、そういうところに彼の美意識や自分らしさが出ています。

匂いの効果も大きいと思っていて。チョコレートフォンデュがあった回では、香りだけでホッとしました。弁護士って、人間の隠の部分に触れる時もある仕事でもあるからこそ、あの空間は癒やしとしてすごく意味があると思うし、皆さんに“我が事務所を見習ってほしい”くらいです(笑)。

■犬とも共演したかった!動物たちの魅力

――共演されている清原果耶さん、成田凌さん、ナ・イヌさんの印象は?
イヌくんは本当に大変だと思います。日本語のセリフが多いし、発音もすごく頑張っていて。清原さんや成田くんが、自然にサポートしている様子も見ていてほほ笑ましいです。

3人ともクラスメイトみたいな雰囲気で仲が良くて、その関係性がドラマの中にもにじみ出ている。いいチームワークが画面にも映っているんじゃないかなと感じます。

――動物たちとの共演についてはいかがでしたか?
実は僕、本編では犬との共演シーンがないんです。弁護士事務所でも飼っていればよかったのにと思いました(笑)。僕も昔、ゴールデン・レトリーバーを飼っていたんですけど、将軍(快の愛犬)は本当に天才的ですね。優しくて、かわいくて、言うこともちゃんと聞く。次は本澤も犬を飼う設定にしてもらいたいです(笑)。

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
タイトル通り、本当に“初恋”のような爽やかでピュアなラブストーリーです。特に若い3人のロケはとても大変だったようで、海でのシーンなども本当に暑さとの闘いだと思います。この夏を全力で駆け抜ける彼らの姿を、ぜひ視聴者の皆さんにも温かく見守っていただけたらうれしいです。
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