今作は、不倫を通して“再生”する家族の物語を描く。夫を愛するために不倫する妻の変わった愛の形に翻弄(ほんろう)される夫。予測不能な不倫ミステリーとなる。
吉岡拓哉(前田)と妻・千春(仁村)の部屋に、千春の母・京子(宮崎美子)が引っ越し業者を連れてやって来た。京子は「急いで引っ越さなきゃ。そうでしょ?千春。私がちゃんと見てあげることができなくなったから、変な男にたぶらかされて」と話す。千春を盲愛する京子は、不倫を口実に拓哉と千春を引き裂くつもりだ。
京子を前にすると何も言えなくなってしまう千春。見かねた拓哉が「お母さんの心配も分かりますが、僕たちは大丈夫です」と夫婦円満を強調するが、京子は「一度裏切った人間を許せる人なんていないのよ。許したように見えて、またしばらくたつと湧き立つの。怒りと悔しさと、忘れられない苦しみが」と話す。
一方、桜井陽介(野村周平)と森崎杏(なえなの)は、相変わらずジムで顔を合わせるたびに口げんか。そんな中、千春は、不倫中の松田未奈(大西礼芳)から思いがけない相談を受ける。夫と別れ、年下の彼と“駆け落ち”して、一緒になろうとする未奈。「みんなはだまされてるって思うかもしれない。でも、一緒にいてわかるの。うそをつくような人じゃないって」と、覚悟を決めた未奈は千春に“あるお願い”をして、彼のもとに飛び込んでいく。
今度こそ幸せをつかむために、新たな恋に走る未奈。そして拓哉と千春には、さらなる不穏な影が忍び寄る。