今回の“オモウマい店”は、東京・東村山市にある老舗うどん屋。
自慢の自家製中細麺は、香りをよくするために3種類の小麦粉をブレンドし、10分間踏んで強いコシを出した生地を使う。また、ゆで釜にかける火は薪で起こしており、従業員いわく「全然違う。熱(の入り方)が」とのこと。
名物の“肉汁うどん”(700円)は、しょうゆベースの自家製あごだしに、砂糖しょうゆとみりんで味付けした国産豚バラ肉入りのつけ汁でいただく。さらに、サービスとしてうどんの切れ端、フルーツ、天ぷらが付くこともある。
地元のイベントで奨励賞を取ったこともある“カレーうどん”(900円)は、食べ応えがあるように粗く切ったタマネギに、3種類ブレンドしたカレー粉、甘みを出すために自家製の梅ジャムを加え、しょうゆベースの自家製あごだしと合わせたもの。そこに、国産豚バラ肉とニンジンの天ぷらがトッピングされている。季節によってタネが変わる天ぷらはバラ売りも行っており、“タマネギと桜エビの天ぷら”や、“ニンジンのかき揚げ”、“ナスの天ぷら”などを1個50円で販売している。
店をはじめる前は主婦だったという店主。お米よりも小麦の方がよくとれたこの地域では、家庭でうどんを作ることは珍しくなかったそう。その当時からの味を守り続けているためか、年配の客も多く、80歳の客は40分かけて自転車で通っているほか、90歳の常連さんは、35、6年前から毎日来店。
店主はうどんを通して「人と人との付き合い」を学んだと語る通り、お客さんとのコミュニケーションを何より大切にしている。時に代金をもらわなかったり、残ってしまいそうなうどんを30人分、気前よくサービスしたりするのもその一環。常連は「いつもパワーをもらって帰る。見習ってああいう人生を歩みたい」と表する。