初顔合わせとなる若いシンガーたちとクミコに、昭和歌謡とシャンソンへの想い、個性、世代、ジャンルの違いは歌でつながれていくことなど、語り尽くしてもらった。
■『現役歌王JAPAN』3人のゲストたちの昭和歌謡との出会いは
【クミコ】今日は4月4日に有楽町よみうりホールで開催する『クミコ×タブレット純 昭和ジュークBOX ~昭和歌謡とシャンソンの夕べ デラックス~』に特別にゲスト出演してくださる『現役歌王JAPAN』ファイナリストの3人の方にお越しいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。そして急に平均年齢を下げていただいたわ(笑)。そうそう、今日はタブレット純さんはいないんだけど、みなさん、ご存知ですよね?妖精みたいな人です(笑)。なんでも聞いてくださいね、年齢以外で(笑)。私、71歳なんです。みんな、孫のような世代ですね。
【Juni】いやいや、とんでもないですよ!
【クミコ】Juniさんって、日本の方ですか。
【Juni】はい、めちゃめちゃ日本人です。埼玉の出身ですよ。Juniという名前は祖父がつけてくれたんですよ。
【クミコ】おじいちゃん、好きだったのね。
【Juni】大好きでした。7年くらい前に亡くなってしまったんですけど。
【クミコ】そうでしたか。歌謡曲が好きになったのもおじいさまの影響ですか。
【Juni】そうですね、祖父母とも一緒によくいたので。学校帰りに祖父母の家に寄ると、BSの歌番組が放送されていて自然に聴いていたりしました。それから両親の影響もあります。僕は24歳なんですが、母が40歳のときの子なんで。最初は好き、嫌いというよりも、すごく自然に歌謡曲を聞いていました。
【クミコ】Juniさんは歌謡曲ではどんな曲が好きなのですか。
【Juni】「安全地帯」さんの曲は好きなのがたくさんあります。ほかに曲だけで言うと「また逢う日まで」とか、あと「さらば恋人」。
【クミコ】ああ、いいですね!みなさんに歌謡曲との出会いを聞きましょうか。Shinさんはどうやって歌謡曲に出会ったの?
【Shin】自分は福岡県久留米市の出身で、同郷の方に松田聖子さんがいらっしゃるんですけど、僕も親の影響で、幼い頃から松田聖子さんや松任谷由実さんといった方々の楽曲を聴いて育ちました。そういう昭和の曲を、親が運転する車の中で聴かせていただいていましたね。特に女性の方の声を魅力的に感じることが多くて。声質とか声色とかを大事に聴いてきました。「この人の声は人と違う声質だ」なんて、幼いながらに思っていました。
【クミコ】Masayaさんはどうですか?
【Masaya】僕の出身は、兵庫県の淡路島というところです。ルーツと言えるような音楽もなく、スタジオとかもないし、カラオケとかも島に1個か2個ぐらいしかありませんでした。僕は父が50歳のときの子なんです。僕は父と島でスナックによく行っていました。そこのお客さんが昭和の楽曲を歌う年代の人たちばっかりだったので、ずっと昭和歌謡、演歌を聴いていたことになります。子供の頃からずっと聴いているから、今でも「好きな音楽のジャンルは」と聞かれると、昭和歌謡と答えます。
【クミコ】Masayaさんのいう昭和歌謡は、どのあたりの曲ですか。
【Masaya】父がよく歌っていた曲がやっぱり自分に残っています。北島三郎さんとか、前川清さんとか。
【クミコ】男性の歌謡曲では私が一番わかるところです。お父さんは今おいくつですか。
【Masaya】去年亡くなったんですが、生きていたら83歳です。
【クミコ】それはもう昭和歌謡の本流よね。
【Masaya】渡哲也さんが淡路島出身なので、父は『くちなしの花』をずっと歌っていましたね。そんなふうに僕の音楽のルーツは昭和歌謡なんですが、今、自分たちが音楽をやっていく上ではだんだんかけ離れていくジャンルだったので、今回のこのイベントに誘っていただけたのは、すごくありがたかったです。
■若い世代の昭和歌謡も、スナックが育てている!?
【クミコ】なるほど、みなさん、子どもの頃から歌謡曲を聴いてきたんですね。それで、実は好きだけど、同世代の友達とはカラオケでは歌えない。
【Masaya】そうですね。ここぞという自分の歌はうたいにくいですね。『北の漁場』とか、親父の十八番は。
【クミコ】わかるわ。それはなかなかちょっとね。今の歌は、言葉がたくさん詰まって、リズムが複雑でしょう。そこに間合いの長い『北の漁場』はね。
【Masaya】だから今もスナックとかに行って、歌ったりしてます。
【クミコ】私の世代だと、昭和歌謡とスナックって一番ぴったりくる感じですよ。昔はカラオケがなかったから、スナックへ行って、そこにはギター弾きの人がいて、伴奏してくれるのが本流でした。そこからだんだんカラオケが出てきて、伴奏は機械に渡していった。でもその前はそのギター弾きのおじさんがいたものでした。それで分厚い赤本といって、何百曲も歌謡曲が詰め込んである楽曲集があって、それに番号が振ってある。そこで「◯番、お願いします」とか言って「キーどうしますか」「ちょっと下げてください」なんてやりとりをして歌うんです。
【Masaya】知らない人も聞いてたりするから、気合いが違いますね。
【クミコ】そうそう。みんな性根を入れて本気で歌うから、意外な本音が見えちゃうんだよね。そういう時に出会う歌って、関係ない人間が聞いててもいいなって思うこともあるもんね。
【Masaya】僕もスナックへ行くと、グデングデンになっている男性とかいるんですけど、一曲歌って起こしてやろうぐらいの、根性を見せて(笑)。
【クミコ】まさかこの若さの人たちからスナックの話が出るとは思わなかったわ。
■ジャンルを超えて感じる言葉のスペースの大切さ
【Masaya】クミコさんはシャンソンがメインですが、歌謡曲も歌われていますよね。
【クミコ】1960年代から70年代、育っているときに歌謡曲が全盛でしたからね。
【Masaya】演歌の歌詞もすごいですよね。
【クミコ】そうですね。歌番組で鳥羽一郎さんとご一緒したときに『兄弟船』を生で聴いたんですけど、職業に根ざした生きざまとか、塩臭さとか、一曲でも人生感じますよ。
【Juni】シャンソンにはほとんど触れたことがないんです。
【クミコ】ほとんどの日本の人はないわよ。私もインチキ・シャンソン歌手なんですよ。
【Masaya】昭和歌謡は音数が少なくて、言葉数も少ないので、伝わりやすい曲でもあると思うんです。
【クミコ】今の楽曲のなかには、16分音符に言葉が乗っかっていてリズムもビートオンリーみたいなものがありますよね。
【Juni】僕はまったく違うジャンルの音楽、たとえば洋楽とかR&Bがすごく好きで、そのときは空気感だったり、音メインで楽しんでいるんです。
【クミコ】自分の気持ちとしてはどっちも楽しい、どちらも自分を出せるということですか。
【Juni】そうですね。でも歌っているときは、歌謡曲の方が言葉にスペースがあるから感情が込めやすいです。
【クミコ】面白いね。その言葉にスペースのあるところが、今、否定されちゃっていますもんね。
【Shin】番組やライブで、韓国語の歌も歌わせてもらったことがあるんですが、韓国語には韓国語だからこそメロディに乗るという言葉もあります。
■昭和歌謡、ムード歌謡、シャンソン。みんなが大切にしている歌を歌おう
【クミコ】もし、私の歌で初めてシャンソンを聴くとしたら、それは、ラッキーよ。
【Juni】今回は1部と2部があって、僕は通して出演するので、たくさん聴けます。
【クミコ】前回もたくさん歌いましたね。ただ、タブ純が途中で余興を入れるんだよね(笑)。
【タブレット純】普段は飄々(ひょうひょう)としたクミコさんが、舞台に立つや憂いを称えた歌姫に、腕のカーテン越しにその変身の瞬間を見ようとするのですが、やっぱりどちらもクミコさんに違いありません。
【クミコ】彼は彼なりにとても楽しみにしていると思いますね、新しいみなさんとの出会いを。
【Masaya】僕も昭和歌謡を伝えてもらった側なので、これを伝えていきたいと思っています。
【クミコ】頼もしいですね。
【Masaya】自分のルーツでもあった好きな歌謡曲をこのステージで歌わせていただける幸せをかみしめつつ、クミコさんとタブ純さんのステージを一緒に楽しめるすごい贅沢な時間になると思います。
【Shin】普段お見せしている姿とはまた違った新たなシーンを見ていただけると思います。
【Juni】クミコさんのシャンソンとタブレット純さんのムード歌謡。そこへ『現役歌王JAPAN』からの3人とで、本当にいろんなものが聴ける時間になるかと思います。
【クミコ】個性、世代、ジャンル。すべてが混ざり合うことが一番のエネルギーになるんですよね。だから今回も来てくださるみなさまが帰られるときに「あ、なんか元気出ちゃった」とか「やっぱり歌っていいね」とかって思ってもらえる気がします。異種格闘技みたいなコンサートです(笑)!
(取材・文/森 綾)


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