インタビュー後編では、KO1KEYZを生んだオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN 新世界』でメインMC=国民プロデューサー代表を務めたDEAN FUJIOKAに、同番組に関する話を聞いた。「自分の言葉じゃないとダメ」という思いで向き合った番組で感じたこと、練習生たちとの交流、そしてデビューをつかんだKO1KEYZと夢半ばで番組を去った練習生たちへの思いに迫る。


■視聴者にも自分の言葉が届いていたのであれば、本当にうれしい

――国民プロデューサー代表を務めた『PRODUCE 101 JAPAN 新世界』についても伺います。これまでオーディション番組を観たことはありましたか?

通して観たことはあまりなかったですね。まわりで盛り上がっているオーディション番組を少し観て、「このグループはこういう経緯でデビューしたんだ」とあとから知ることはありましたけど、今回オファーをいただいて初めて、『PRODUCE 101』も含めて、いろいろなオーディション番組をちゃんと観ました。

――順位発表式でのコメントをはじめ、DEANさんの言葉は練習生への励ましであると同時に、視聴者へのエールにもなっていたように感じました。言葉を届ける際にはどんなことを意識していましたか?

最初にオファーをいただいたときは、練習生たちのためにも揺るがない存在でいたいと思っていたんです。でも、近い距離で彼らと向き合っているうちに、最終的には「みんな幸せになったらいいな」という思いになっていったんです。番組にはルールがあって、その中でデビューする人もいれば、脱落する人もいる。それぞれに物語があります。だから、どんな境遇になったとしても通じる言葉を、自分の実体験の中から、自分の言葉で伝えるべきだと思っていました。自分の言葉じゃないとダメなんですよね。自分が体験したことじゃないと話せないし、人から聞いたことをそのまま話すことはできない。それが結果として、練習生だけではなく視聴者にも届いていたのであれば、自分としては本当にうれしいですね。


■自分も一人の挑戦者なんだということを、改めてリマインドしてもらえた

――練習生のみなさんから、逆に学んだことや刺激を受けたことはありましたか?

たくさんありました。彼らの頑張る姿や情熱、ピュアな姿勢を見ていて、自分の中でも思い起こされるものがたくさんありました。忘れかけていたものや、少し薄れていたものも。だから、自分も彼らとは違う場所にいるというより、同じ道筋にいる一人の挑戦者なんだということを、改めてリマインドしてもらいました。そう思えたからこそ、「揺るがない存在」というよりも、もっと触れ合える距離感で、一人ひとりとコミュニケーションを取りたいという気持ちになったんです。

番組でも少し放送されていましたが、練習生たちの合宿所にも行ったんですよ。連続ドラマを撮影している時期だったので時間も限られていたのですが「この時間だけなら行ける」というタイミングがあったので、行けて本当によかったです。司会者として公平でいなければいけませんが、一人ひとりと話したいという思いがずっとあって。本当は手料理を振る舞って一緒に食べながら話したかったくらいなんですけど、全員とハグもして、いい時間でした。タイミング的には残り20人になってからでしたけど、もっと早い段階でやりたかったですね。

■KO1KEYZや練習生たちには変化を楽しめる人でいてほしい

――デビューが決まる瞬間を見届けて、どんなことを感じましたか?

最終回でデビュー組と、惜しくもデビューが叶わなかったメンバーが分かれたとき、無理にでも合宿所に行けてよかったなと思いました。声をかける時間もあったのですが、あまり過剰に慰めるのも違いますし、結果がどうであれ、自分が経験してきたことで、普遍的に通じるものを伝えたいと思っていました。


爆発的にヒットしたり、すぐにブレイクしたりする方法ではないかもしれないけれど、長く続けていける方法というものがある。それはエンターテインメントだけじゃなく、生きていくうえでも同じだと自分は思っています。やっていいこと、やってはいけないこと。そういう王道というか、普遍的なことを伝えて、あとは自分の人生の中でアレンジを加えながら歩んでいってほしい。この先の人生のコンパスになるような言葉を伝えられたらと思っていました。そんな中で、一番刺激を受けたのは自分だったのかもしれないですね。

――KO1KEYZとしてデビューするメンバー、そしてデビューが叶わなかった練習生のみなさんへ、改めて「ぜひ忘れないでほしい」と思うことをお願いします。

まず、本当に幸せになってもらえたらいいなということですね。そして、この番組のプロセスは映像として残っています。だから、未来のどこかのタイミングで、もう一度見返さなければいけないときが来るかもしれないですね。それと、自分に対しても思うことなんですけど、物事って必ず変化があります。いいときもあれば悪いときもあるし、浮き沈みもある。
その変化を、ある時点ではネガティブなものだと感じることもあるかもしれない。でも、変化を楽しめる人でいてほしいんです。

僕自身、香港でこの業界に入ってから、国を変えるたびに新人としてやり直してきました。4、5回はそういう経験をしていて、積み上がったと思ったらまた崩れる、みたいなことの繰り返しでした。今年で22年目になりますけど、今振り返ると、地球上のいろんな場所でそういう経験をしてきたからこそ、今できることがあるんだなと思います。だから、すごく視野を広く持ってほしい。時間という概念も含めて、変化そのものを楽しめるような、大きな心でいてほしいですね。そうしたら意外と、「これでいっか」とか、「なんとかなったね」って思える日が来るかもしれないから。

■プロフィール
DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)
1980年8月19日生まれ、福島県出身。2004年に香港でモデル活動を開始し、映画『八月の物語』で主演デビュー。2006年から台北を拠点に俳優として活動し、日本では2015年NHK連続テレビ小説『あさが来た』の五代友厚役で注目を集める。音楽活動ではTVアニメ『ユーリ!!! on ICE』のOPテーマ「History Maker」が国内外でヒットし、2023年には日本武道館公演を成功させた。
最近ではフジテレビ系ドラマ『LOVED ONE』で主演を務めるほか、『PRODUCE 101 JAPAN 新世界』では国民プロデューサー代表を務めた。 
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