毎日通っている道でも、正確な位置や情報をたずねられると案外あいまいな知識しかないことが多い。ある日空き地になった場所、ここに何があったっけ?ということも。

防災に必要不可欠な消火栓も、あちこちにたくさん標識があるけれど、認識しているだろうか? これはかなり難題かもしれない。東京・赤坂の21_21 DESIGN SIGHTで開催されている企画展「そのとき、どうする?展 -防災のこれからを見渡す-」(会期~11月3日)では、街にある防災に関するプロダクトの一つとして消火栓標識(消火栓標識・東京)が紹介されている。

 消火栓標識は日常の風景に溶け込んでおり、普段はなかなか認識されないものだが、防災にはもちろん不可欠。企画展は、街中にある消火栓の存在と役割に来場者が気づき、防災意識を高めるきっかけを作るのが目的だ。地下にある消火栓の場所を示す標識は、主に民間企業が看板の広告収入をもとに維持管理しているといい、東京都内では消火栓14万基のうち、駅周辺や都心部を中心に2万カ所に標識が設置されている。一方で、広告枠の認知度が低く、8割で広告枠が活用されていないのが実情だ。

 企画展では、「安全な場所ってどこ?」「十分な備えってどれくらい?」など、会場にちりばめられた10の「問い」を通して、自分自身の防災や災害への向き合い方を主体的に考えながら作品を鑑賞できるようになっている。さまざまな場所や時間軸で巡り合う「そのとき」への向き合い方も変わるかもしれない。

 会場は火曜日休館(9月23日は開館)。開館時間は10時~19時(入場は18時30分まで)。入場料は一般1600円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。

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