早寝早起きを続けるにはどうしたらいいか。朝活コミュニティ「朝渋」代表の井上皓史さんは「自分へのごほうびに、朝の時間帯に値段が安くなるサービスを活用するといい。
例えばホテルのモーニングビュッフェなど、お得なサービスを自分の身の回りで探して生活に取り入れることで、早寝早起きは長く続けられるようになる」という――。
※本稿は、井上皓史『無敵の早起き』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■ホテルのモーニングブッフェを自分へのご褒美に
朝型の生活を習慣にするには、その目的がしっかりと決まっていることが大前提ですが、それに加えて、ちょっとした楽しみがあると、早寝早起きがより続きやすくなります。
ちょっとした楽しみといっても、いろいろなものがあります。
私は、朝の時間に利用すればお得になる、安くなるというサービスを利用することをお勧めしています。
モーニングセットは、日中や夜の食事に比べてお得なのはご存じかと思いますが、これを利用しない手はありません。ファストフード店もそうですし、牛丼店の朝定食も、価格以上に中身が充実しています。
これは有名なチェーン店だけでなく、個人で経営している喫茶店のモーニングにもいえることです。集客のために、朝は値段を安くして内容を充実させる飲食店が多くあります。
その最たるものが、有名ホテルのレストランで取るビュッフェスタイルのモーニングかもしれません。ホテルによってはモーニングの価格が4千円から5千円というところもあります。
朝ご飯に4千円から5千円の出費となると、かなり高いという印象を受けます。
しかしその内容を見れば、納得のいくサービスを受けられることがわかります。
通常の時間であれば、この価格帯で高級なホテルの料理を口にするのはなかなか難しいでしょう。そういう意味で、ホテルのモーニングビュッフェも、とてもお得なサービスだと思います。
自分へのごほうびとして、毎月、給料日の朝に行ってみてはいかがでしょう。
■朝のお得なサービスを活用する
食事のほかにも、朝の時間帯に値段が安くなるサービスはいろいろとあります。
たとえば、ゴルフの練習場は、朝の5時から営業をしているところがあります。
その中には、朝の時間帯は打席料金を払えば、ボールは打ち放題というサービスをしているところが多くあります。
週末、ゴルフコースに行く予定がある際に、前もって平日の朝に、打ちっぱなしの練習場で調子を整えるという使い方もできるでしょう。
また、朝の時間帯に安くなるカラオケボックスもあります。
価格帯もいろいろとあり、安いところでは、30分10円という値段でサービスを提供しているカラオケボックスもあるようです。
私のまわりでもMr.Children好きの仲間で集まって活動をしている人たちがいます。朝カラオケでミスチルの歌だけを熱唱するグループです。

朝の出勤前に、値段の安いカラオケボックスを使って好きなミスチルの歌を思い切り歌うというのも、気持ちのよい過ごし方ですね。
朝だけ安くなるようなサービスは、おそらくほかにもいろいろあるでしょう。
このようなお得なサービスを、自分の身の回りで探して生活に取り入れることでも、早寝早起きは長く続けられるようになると思います。
人に聞いたり、街を歩いたりしてみて、

自分なりの「朝安」を発見しよう。
■一日の行動をルーティン化する
朝型の生活を始めて数週間から1か月ほど経つと、早寝早起きの生活がなじんできます。
さらにこれを完全に習慣化するためには、自分の一日の過ごし方を再度観察して、その流れがルーティンになっているかを確認するといいでしょう。
①まず朝の5時に起きてから、夜の22時に寝るまでのすべての行動を書き出してみましょう。
行動がすでにルーティン化しているところはもちろんのこと、流れが不明確な部分もなるべく思い出しながら、自分の毎日の動きを書き出します。
②書き出したら、次のようなポイントをチェックしてみましょう。
・朝5時に目覚ましが鳴ってから、起きて身支度を整えるまでの行動が、すべて流れとして完成しているか。どこかに二度寝をしてしまう落とし穴はないか。

・出発する時刻が一定で通勤電車に乗る時刻も一定しているか。


・始業前の2時間を曜日によってどのように活用するかが決まっているか。

・昼には、その日の仕事の大きな山を越えているか。

・夜は自分が決めた退社時刻通りに職場を出ることができているか。

・帰宅してから22時に就寝するまでの一連の行動が、ルーティンとなっているか。

・週末も早寝早起きをして、やることや用事が決まっているか。
①と、②とを見比べて、ルーティンとなっていないところを見つけ出しましょう。
そしてルーティンになっていないところは、どうすればルーティンになっていくのかを考えて、改善していきます。
■ルーティン化すると普段の生活が安定し気持ちが落ち着く
「PDCAサイクル」という言葉があります。
「Plan=計画」「Do=実行」「Check=評価」「Action=改善」の略で、これを繰り返して、仕事を効率化したり改善したりする方法です。
このPDCAサイクルを適用すると、早起きをかなりしっかりとした生活習慣として定着させることができます。
具体的には、朝5時に起きることを計画し(P)、それを実行する(D)。ダメだったらその理由を考える(C)。
そして、その原因を取り除き、再度実行する(A)。こうしたことを繰り返すのです。
これができてくれば、もう日々の過ごし方が大きく崩れることはありません。
私は、子どもの頃から、このように日常の過ごし方をルーティン化することが好きでした。ルーティン化すると、普段の生活が安定して、やり方やペースが一定になり、気持ちが落ち着くからです。
逆にいえば、やり方が一定していないために起こる感情の起伏や焦りが、とても嫌いなのです。
昔から、イレギュラーなことや、何かの変更によって、普段と違うことが起きるのを極力防ぎたいと思っていました。この点は大人になったいまでも変わりません。
このような子どもの頃からの習慣によって、心はいつもほぼ安定しており、感情がざわつくことが少ない日々を送っています。
■日々の流れを仕組みに落とし込んでいく
もちろん、私たちは社会の中で生活しているのですから、自分で決めたルーティンの通りに生きていけるわけではありません。ときには、他者の振る舞いによってイレギュラーなことが発生したりするのも当然です。
ところが、自分がつくったペースを守り、ルーティンに沿った過ごし方をしていると、たとえ突発的なことが起きても動揺を最小限に抑えることができるのです。

そうした経験から、私は日々の流れを仕組みに落とし込んでいくことを好んで実践しています。
これは、早寝早起きだけの話ではありません。
何かを始めて、それを継続させるには、全体がスムーズに流れるようにルーティン化するのがポイントです。そしてそれを定期的に見直して、PDCAを何度か回すことです。
こうすれば、多くの習慣が自分のものになります。
私は15年以上もピアノをしてきましたし、サッカーも10年以上励んできました。いまは朝ランニングに熱中しています。
趣味が長く続くのも、すべてはルーティン化したおかげなのです。
一日の行動がルーティンとなって

頭に浮かぶようになれば完璧。

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井上 皓史(いのうえ・こうじ)

朝活コミュニティ「朝渋」代表、Morning Labo取締役

1992年、東京都生まれ。朝活コミュニティ「朝渋」代表。株式会社Morning Labo取締役。
2児の父。2016年より朝活コミュニティ「朝渋」を東京・渋谷で立ち上げ、読書や英会話、ゲストを招いたトークイベントなどさまざまな活動を行う。これまで3万人以上に「早起き」のメソッドを伝えている。著書として『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)がある。

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(朝活コミュニティ「朝渋」代表、Morning Labo取締役 井上 皓史)
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