※本稿は、須田慎一郎氏のYouTubeチャンネル「ただいま取材中!」の一部を再編集したものです。
■「消費税減税」阻止に動き出した財務省
4月7日、2026年度予算が成立した。過去最大の予算と報道されているが、名目GDP比で見ると過去30年間の中で12番目に少ない水準であることは、本連載のなかでご紹介した(参考記事)。
高市早苗首相にとって先の衆院選の選挙公約であった消費税減税については、秋を目途に法案提出を目指すとされている。今回はこうしたなかで、財務省があらゆる手段を駆使して高市首相が実現しようとしている食料品の消費税減税を阻止しようとしている現状について解説したい。
現在、財務省が標的に定めているのは「社会保障国民会議」である。この会議における主要な議論は、大きく2つ。一つは消費税の減税、そしてもう一つは給付付き税額控除だ。前者は、飲食料品に適用されている8%の軽減税率を2年間に限定して0%に引き下げるというものである。
さらに、その2年間のうちに「給付付き税額控除」の制度設計を行い、減税期間の終了と同時に新制度へとバトンタッチさせる計画だ。これにより国民負担を軽減し、実質的な手取りを増やす方向で議論が進められてきた。
しかし、ここへ来て財務省は、この国民会議の動きを封じ込めるべく本格的な介入を開始したのである。
財務省は現在、国民会議のメンバーに対してアプローチを進めている。財務省は何としても消費税減税を阻止したいという強い思惑を持っており、緊縮財政派や慎重派のメンバーに対してある案を提示している。
■財務省の提案
本来の計画では、しっかりとした制度設計を行い、2年後から「給付付き税額控除」をスタートさせ、それまでの2年間は消費税減税で対応するはずであった。これに対し財務省は、最初の2年間は「簡易型」の給付付き税額控除を導入し、2年後から本格的な制度へ移行すればよいという提案を行っている。
これは、給付を口実にすることで消費税減税を回避しようとする戦略である。
今後、オールドメディアの報道を注視していただきたい。「消費税は年金、介護、医療といった社会保障制度の重要な財源であり、減税すべきではない」という主張とともに、この「簡易型の給付付き税額控除」というアイデアが急浮上したかのような報道が増えていくはずである。この動向にはぜひ注目していただきたい。
このプランを立案したのは財務省、より正確に言えば財務省主税局である。
彼らは現在、水面下でこうした工作を加速させている。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」路線によってプライマリーバランスの赤字が拡大し、国債の金利上昇を招き、経済が混乱するというロジックのもとに、そして衆議院選挙の公約であった消費税減税を撤回させることが狙いである。
■プロパガンダに加担する新聞
それに加担しているのがオールドメディアである。2026年3月27日、日本経済新聞は意図的ともいえる誤報を掲載した。
3月26日には経済財政諮問会議が開催された。この会議は2027年度予算の大枠、いわゆる「骨太の方針」を策定する中心的な組織であり、高市早苗首相が議長を、城内実氏が経済財政担当大臣を務めている。この日の会議には、米マサチューセッツ工科大学のオリヴィエ・ブランシャール名誉教授とハーバード大学のケネス・ロゴフ教授という、ともにIMFのチーフエコノミストを歴任したマクロ経済学の権威2人が招かれた。
日本経済新聞や朝日新聞、毎日新聞は、この会議の内容を次のように報じた。日本経済新聞は「ブランシャール氏は、国債を財源とした財政出動が自動的に正当化されるわけではないと釘を刺した」とし、防衛や期間投資は将来の歳入を十分に生まないため、批判的な注文をつけたと報じている。朝日新聞のデジタル版に至ってはさらに踏み込み、「招かれた学者からは金利上昇を念頭に置いた財政運営を促す指摘が相次いだ」とし、積極財政を否定する指摘があったかのように伝えた。
■高市総理は「事実と異なる報道」と問題視
このように、主要各紙は足並みを揃えて、2人の有識者が高市政権の積極財政路線に対して批判的であったと報道したのである。しかし、これらは全くの虚偽であり、デタラメであったことが判明した。
この報道内容に強い違和感を抱いたため、徹底的な取材を行った。
3月26日の経済財政諮問会議で2人の有識者が講演を行うのに先立ち、その前日に内閣府から記者団へ、ブランシャール氏が提出した資料に基づいた内容ブリーフィングが行われていた。会議翌日の3月27日付の報道において、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞はいずれも「高市政権に注文」という見出しを掲げ、批判的な発言があったかのように報じたわけだが、ブランシャール氏の発言の一部を意図的に切り取り、責任ある積極財政に否定的であるかのような印象を植え付けるものであった。
私が取材を進めたところ、政府側もこの報道を極めて深刻に捉えていることが分かった。特に、経済財政諮問会議の出席者である高市早苗総理、木原稔官房長官、城内実経済財政担当大臣の3人は、揃って「事実とは異なる報道である」として強く問題視している。
■海外専門家は高市内閣の方針を支持
3月27日に行われた記者会見で、日本経済新聞の報道について記者から質問があり木原官房長官は講演内容の詳細を説明した。その中で、ブランシャール教授は「高市政権の方針は実行可能であり、自らの考えと違いはない」と指摘していたことが明らかにされた。
つまり、実際にはブランシャール氏は高市政権の財政方針に対して全面的な賛意を示していたのである。報道された内容は事実と180度異なっており、これが恣意的かつ悪意を持った、意図的な誤報であることは疑いようがない。
■担当大臣の会見より報道が早かったワケ
さらに驚くべき事実が判明した。
経済財政諮問会議の報告を行うため、城内実経済財政担当大臣の記者会見が3月26日の18時50分過ぎに開始され、18時59分に終了した。しかし、日本経済新聞のデジタル版が同様の内容を報じたのは、会見中の18時54分であった。
つまり、日経新聞は担当大臣の説明を最後まで聞くことも、内容の確認を取ることもないまま記事を配信したということである。会見の内容を確認せずに、なぜこれほど迅速に報道できたのか。その裏には財務省による「裏ブリーフィング」の存在が浮上している。
■ブランシャール氏本人が日本語でXに投稿
実は、ブランシャール氏が会議に提出した資料には、2通りの日本語訳が存在していた。一つは財務省が翻訳したもの、もう一つは内閣府と経済産業省が共同で翻訳したものである。この2つのバージョンは、内容が180度食い違っていた。
財務省版: ブランシャール氏が積極財政に慎重であり、後ろ向きであるかのような表現。
内閣府・経産省版: ブランシャール氏が責任ある積極財政を推進すべきだと指摘している内容。
日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞の3紙は、いずれも一方的に財務省版の翻訳を採用して報じていた。この事実から、各紙が事前に財務省から水面下でレクチャーを受けていたことは明白である。
また、ブランシャール氏本人は、自身の発言が事実と異なる形で報じられていることを直接認識している。氏は自らのX(旧Twitter)上で、日本語を用いて「高市総理は、(中略)力強い経済・社会プログラムを設計し、実行する機会を得ています。
■財務省のプロパガンダ新聞は存在する
現在、日本経済新聞社内においても、今回の一連の報道が大きな問題となっているとのことである。
事実と大きく異なる内容がこれほど堂々と紙面に掲載されたことを受け、日本経済新聞の社内でも「訂正や修正を行うべきではないか」との声が上がった。しかし、上層部からは、訂正は一切行わないとの方針が示されたという。
その後、同紙はブランシャール氏のインタビューを掲載し、「積極財政は正しい」とする発言を報道するなど、軌道修正も図っているが、今回お伝えしたいのは、高市氏が進める積極財政路線に対しては、批判的に報じるという編集方針が確定しているという事実だ。つまり、最初から「批判する」という結論がありきで報道がなされていることに留意しておく必要がある。
財務省と朝日・毎日・日経というオールドメディアが手を組み、高市氏の掲げる「責任ある積極財政」を潰しにかかっている。これは陰謀論ではなく、事実として「緊縮財政ネットワーク」が蠢動(しゅんどう)を始めたということである。彼らによる本格的な「高市潰し」が始まったことを指摘し、今回の解説を締めくくる。
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須田 慎一郎(すだ・しんいちろう)
ジャーナリスト
1961年東京生まれ。日本大学経済学部を卒業後、金融専門紙、経済誌記者などを経てフリージャーナリストとなる。
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(ジャーナリスト 須田 慎一郎)

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