どうすればお金を貯められるのか。起業プロデューサーの内野舞さんは「私はかつてカードローン残高400万円を返すために、お金の使い方を見直した。
※本稿は、内野舞『お金について考えてみた 貯まる、使える、自分らしく働ける』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
■節約・稼ぐ・貯金よりも大切なステップ
「あなたが支払ったお金の価値が最大化するお金の使い方とは?」
そんなことを言われても、何にお金を使えばいいか具体的にイメージできない……という方のために、探し方をお伝えします。
次のステップでお金を使うことで、誰でも幸福感や豊かさが上がっていきます。
私自身、年々収入が上がりました。
これまで、さまざまな節約テクや貯金術、稼ぐ方法、金融投資などにチャレンジしてきたなかで、一番大切だったのは「お金の使い方」だと感じています。
「お金の使い方を変えたくらいで、貧乏から抜けられるわけない」と思う方もいるかもしれませんが、このステップでお金を使っていくと、誰でも確実に、いま以上の豊かさを感じたり、気づくとお金が増えたりするのです。
実際に私が教えた方も、気づけばいつもよりも幸せな気持ちで暮らしているのに、月末にいつもよりもお金が余ったり、収入が増えた方も。
ポイントは、順番を無視せずに「この順番通りにお金を使うこと」。簡単にできるワークを用意したので、それを行いながら、お金の使い方を変えてみましょう。
■「華やかなお金の使い方=幸せ」なのか
ステップ1:嫌なことを手放すためにお金を使おう
お金は、関わるときの感情が大切です。嬉しい気持ち、幸せな気持ちになれることにお金を使おうとすると、豪華なランチや旅行など華やかなお金の使い方に目が向きがちです。
けれど、最初に使うべきは「嫌なことを手放すため」。
というのも、どれだけ幸せになるための行動をしても、日常で「嫌なこと」がたくさんあるうちは、嫌な気分で過ごす時間が多くなり、幸せな気持ちを感じにくいからです。「嫌なこと」は、あなたが想像している以上にあなたに日々小さなストレスを与え精神と身体に負担をかけています。
このファーストステップに取り組むだけで、毎日が驚くくらい幸せになりますよ。
■乗り換えが多いときは電車移動をやめた
私の場合、最初にお金をかけて手放した嫌なことは、「電車の乗り換え」でした。
極度の方向音痴で、電車1本で目的地まで行けるときはなんとか時間通りに行けるのですが、乗り換えがあると、何度教えてもらっても、どこから乗り換えていいか分からず迷子になり、ひどいときには約束の時間に間に合わないことも。
そこで、乗り換えがあるときにはタクシーを使うようになったところ、ストレスが一気に軽減。それだけでなく、移動中にゆっくり仕事や読書ができるので、とても幸せな気持ちになれました。
「タクシーだなんて贅沢!」と最初は抵抗がありましたが、1500円程で、約束の時間に間に合わないかもしれないストレスや焦りを手放せるなんて最高! と感動した経験から、タクシーを気軽に利用できるようになりました。
他にも、掃除や洗濯が苦手なので、ロボット掃除機を買ったり、家事代行の方に月1回来てもらったり、乾燥機付きの洗濯機を購入したり。
すると、生活の質が一気に上がり、幸福度も一気に高まりました。
私が尊敬する経営者のなかには、「家で髪を洗って乾かすのが面倒」ということを手放すために、美容院でのシャンプーのサブスクにお金をかけている方もいます。
コツは、「一気に全て手放そうとせず、まずは今の自分にできることから」。そうすれば、リバウンドなく嫌なことを手放せます。
私自身、家事を全て手放したいけれど、毎週家事代行にお願いするのはお金が心配だったので、まずはお試しで1回だけ来てもらうことからスタート。とても良かったので徐々に回数を増やしていきました。
■“良い気分”でいる時間をお金で伸ばす
ステップ2:心地良くなれることにお金を使おう
嫌なことを手放したら、次は「安心できること」「良い気分になれること」にお金をかけましょう。
「良い気分」でいる時間が人生に増えると、人生で幸せな時間が増えます。幸せな気持ちでいる時間が長くなると、次のチャレンジへの活力が湧いてきます。
私は、自宅のタオルを新調することから始めました。「まだ使えるし、もったいない」と思いつつ、出張先のホテルで使ったタオルがふかふかでとても気持ち良かったので「自宅でも毎日この感覚を味わいたい!」と思ったからです。結果、機嫌良くいられる時間が増え、モヤモヤやイライラがグッと減少。
その調子で日々「自分の心地良さ」を追い求め、今まで適当に選んでいたシーツ・パジャマ・肌着・普段飲むお茶などを買い換えていくと、ふと気づきました。
「五感が喜ぶことが、自分にとって心地良いことなんだ!」と。
五感とは
・視覚(目に入ってくるもの)
・聴覚(耳に聞こえてくる音)
・嗅覚(鼻に香ってくる香り)
・味覚(舌で味わっているもの)
・触覚(身体に触れるもの)
この5つが「なんかいい感じ」と感じると、ホッと安心したり、心地良さを感じるのです。
■自分は何にお金をかけると満足度が高いのか
ステップ3:ワクワク、ドキドキすることにお金を使おう
ステップ1・2を経験すると「幸せをキャッチする感覚」が磨かれていき、「自分はどんなことにお金をかけると満足度が高くなるのか」という輪郭がクッキリとしてきます。さあ次は、ワクワク、ドキドキすることにお金を使いましょう。
このとき、今の自分に合わせたものだけでなく、「未来の自分だったら選ぶもの」という基準でお金を使うと、自分の大きな成長に繋がります。
私の場合は3000円の勉強会でした。月に12万円しか使えない中で3000円という金額はとてもドキドキしたのですが、「この勉強会に参加することで、自分の新しい可能性が見つかるかもしれない!」と勇気を出してチャレンジ。それが、今の仕事に辿り着くキッカケとなりました。
■選択を変えなければ人生は変わらない
「お金が無いのにそんなことにお金を使えない!」と思う方もいるかもしれません。私自身、節約思考が強かったのでステップ3は一番抵抗が強くありました。
けれど、今までと同じ選択をしていたら、今までと同じ延長線の人生が続き、「お金が無いから諦める」という人生になってしまいます。
そのため、同時に「価値を感じないことにはお金をかけない」も意識しましょう。
私は、毎月なんとなく参加していた職場の飲み会を断ることにしました。
このステップでお金を使うと、節約して我慢をしなくても、支出が自然と減っていきます。浮いたお金はあなたがワクワク、ドキドキすることに使っていきましょう。
■自分が苦しい状態では他人を喜ばせられない
ステップ4:大切な人が喜ぶことにお金を使おう
私の周りにいるお金持ちの人は、いつも人を喜ばせることを考えています。
さりげなくご馳走してくださったり、誕生日でもない日に「これ美味しかったから」とさりげなくプレゼントしてくださったり。
そういう人と接するたびに、お金をかけてくれたこと以上に、「私を喜ばせたい」という気持ちが嬉しくて、ますますその人のことが好きになります。
私もそんな存在になりたくて、ステップ1~3をすっ飛ばし、背伸びして人にご馳走したりとマネしてみたのですが、金銭的にも精神的にも苦しくなり、「そうか、自分が苦しい状態で人を喜ばせることはできないのか」と、ハッと気づいたのでした。
ステップ1~3の順番でお金をかけていくと、自分自身が満たされていきます。
すると自然に、人に与えたいという気持ちを持てるようになります。
そして、人が喜ぶためにお金を使えるようになるのです。
■人のためにお金を使うと幸福度が高まる
大切な人が喜ぶことにお金を使うと、とても幸せな気持ちになります。
カナダのサイモンフレーザー大学が実施したお金に関する実験でも「人のためにお金を使うと幸福度が高まる」という実験結果が出ています。(『99.9%は幸せの素人』KADOKAWA)
日本円で400円相当の金額を渡して、「(1)自分のために使ったグループ」と「(2)人のために使ったグループ」に分け、どちらの方が幸福度が上がったか調査したところ、(2)のグループの方が圧倒的に幸福度が上がったという結果に。
自分も人もハッピーになれるのが「大切な人の喜びにお金を使うこと」なのです。
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内野 舞(うちの・まい)
ウェルスノート代表取締役
1986年生まれ。手取り15万円以下の生活やカードローン残高400万円の返済に苦しんだ経験から、恋愛コンサルタントとして起業後、一生やりがいを感じられる仕事と、幸せなパートナーシップの両立をテーマに、延べ3000人以上と向き合う。「恋愛に悩む人の多くは、お金にも悩みを抱えている」という気付きから、心理学やマネーリテラシー、行動経済学などを学び、自らも実践。収入管理・支出最適化・資産形成の重要性を伝える教育事業を行う。
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(ウェルスノート代表取締役 内野 舞)
重要なのは、お金をかける物事の順番だ」という――。
※本稿は、内野舞『お金について考えてみた 貯まる、使える、自分らしく働ける』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
■節約・稼ぐ・貯金よりも大切なステップ
「あなたが支払ったお金の価値が最大化するお金の使い方とは?」
そんなことを言われても、何にお金を使えばいいか具体的にイメージできない……という方のために、探し方をお伝えします。
次のステップでお金を使うことで、誰でも幸福感や豊かさが上がっていきます。
私自身、年々収入が上がりました。
これまで、さまざまな節約テクや貯金術、稼ぐ方法、金融投資などにチャレンジしてきたなかで、一番大切だったのは「お金の使い方」だと感じています。
「お金の使い方を変えたくらいで、貧乏から抜けられるわけない」と思う方もいるかもしれませんが、このステップでお金を使っていくと、誰でも確実に、いま以上の豊かさを感じたり、気づくとお金が増えたりするのです。
実際に私が教えた方も、気づけばいつもよりも幸せな気持ちで暮らしているのに、月末にいつもよりもお金が余ったり、収入が増えた方も。
ポイントは、順番を無視せずに「この順番通りにお金を使うこと」。簡単にできるワークを用意したので、それを行いながら、お金の使い方を変えてみましょう。
■「華やかなお金の使い方=幸せ」なのか
ステップ1:嫌なことを手放すためにお金を使おう
お金は、関わるときの感情が大切です。嬉しい気持ち、幸せな気持ちになれることにお金を使おうとすると、豪華なランチや旅行など華やかなお金の使い方に目が向きがちです。
けれど、最初に使うべきは「嫌なことを手放すため」。
というのも、どれだけ幸せになるための行動をしても、日常で「嫌なこと」がたくさんあるうちは、嫌な気分で過ごす時間が多くなり、幸せな気持ちを感じにくいからです。「嫌なこと」は、あなたが想像している以上にあなたに日々小さなストレスを与え精神と身体に負担をかけています。
このファーストステップに取り組むだけで、毎日が驚くくらい幸せになりますよ。
■乗り換えが多いときは電車移動をやめた
私の場合、最初にお金をかけて手放した嫌なことは、「電車の乗り換え」でした。
極度の方向音痴で、電車1本で目的地まで行けるときはなんとか時間通りに行けるのですが、乗り換えがあると、何度教えてもらっても、どこから乗り換えていいか分からず迷子になり、ひどいときには約束の時間に間に合わないことも。
そこで、乗り換えがあるときにはタクシーを使うようになったところ、ストレスが一気に軽減。それだけでなく、移動中にゆっくり仕事や読書ができるので、とても幸せな気持ちになれました。
「タクシーだなんて贅沢!」と最初は抵抗がありましたが、1500円程で、約束の時間に間に合わないかもしれないストレスや焦りを手放せるなんて最高! と感動した経験から、タクシーを気軽に利用できるようになりました。
他にも、掃除や洗濯が苦手なので、ロボット掃除機を買ったり、家事代行の方に月1回来てもらったり、乾燥機付きの洗濯機を購入したり。
すると、生活の質が一気に上がり、幸福度も一気に高まりました。
私が尊敬する経営者のなかには、「家で髪を洗って乾かすのが面倒」ということを手放すために、美容院でのシャンプーのサブスクにお金をかけている方もいます。
コツは、「一気に全て手放そうとせず、まずは今の自分にできることから」。そうすれば、リバウンドなく嫌なことを手放せます。
私自身、家事を全て手放したいけれど、毎週家事代行にお願いするのはお金が心配だったので、まずはお試しで1回だけ来てもらうことからスタート。とても良かったので徐々に回数を増やしていきました。
■“良い気分”でいる時間をお金で伸ばす
ステップ2:心地良くなれることにお金を使おう
嫌なことを手放したら、次は「安心できること」「良い気分になれること」にお金をかけましょう。
「良い気分」でいる時間が人生に増えると、人生で幸せな時間が増えます。幸せな気持ちでいる時間が長くなると、次のチャレンジへの活力が湧いてきます。
私は、自宅のタオルを新調することから始めました。「まだ使えるし、もったいない」と思いつつ、出張先のホテルで使ったタオルがふかふかでとても気持ち良かったので「自宅でも毎日この感覚を味わいたい!」と思ったからです。結果、機嫌良くいられる時間が増え、モヤモヤやイライラがグッと減少。
その調子で日々「自分の心地良さ」を追い求め、今まで適当に選んでいたシーツ・パジャマ・肌着・普段飲むお茶などを買い換えていくと、ふと気づきました。
「五感が喜ぶことが、自分にとって心地良いことなんだ!」と。
五感とは
・視覚(目に入ってくるもの)
・聴覚(耳に聞こえてくる音)
・嗅覚(鼻に香ってくる香り)
・味覚(舌で味わっているもの)
・触覚(身体に触れるもの)
この5つが「なんかいい感じ」と感じると、ホッと安心したり、心地良さを感じるのです。
■自分は何にお金をかけると満足度が高いのか
ステップ3:ワクワク、ドキドキすることにお金を使おう
ステップ1・2を経験すると「幸せをキャッチする感覚」が磨かれていき、「自分はどんなことにお金をかけると満足度が高くなるのか」という輪郭がクッキリとしてきます。さあ次は、ワクワク、ドキドキすることにお金を使いましょう。
このとき、今の自分に合わせたものだけでなく、「未来の自分だったら選ぶもの」という基準でお金を使うと、自分の大きな成長に繋がります。
私の場合は3000円の勉強会でした。月に12万円しか使えない中で3000円という金額はとてもドキドキしたのですが、「この勉強会に参加することで、自分の新しい可能性が見つかるかもしれない!」と勇気を出してチャレンジ。それが、今の仕事に辿り着くキッカケとなりました。
■選択を変えなければ人生は変わらない
「お金が無いのにそんなことにお金を使えない!」と思う方もいるかもしれません。私自身、節約思考が強かったのでステップ3は一番抵抗が強くありました。
けれど、今までと同じ選択をしていたら、今までと同じ延長線の人生が続き、「お金が無いから諦める」という人生になってしまいます。
そのため、同時に「価値を感じないことにはお金をかけない」も意識しましょう。
私は、毎月なんとなく参加していた職場の飲み会を断ることにしました。
飲み会は1回あたり5000円。私にとっては、大きな出費のわりには満足度が低いもの。なのに誘われると断りづらく、なんとなく参加していたので、勇気を出して手放しました。結果的に、浮いたお金を勉強会にまわし、満足度・幸福度が高まりました。
このステップでお金を使うと、節約して我慢をしなくても、支出が自然と減っていきます。浮いたお金はあなたがワクワク、ドキドキすることに使っていきましょう。
■自分が苦しい状態では他人を喜ばせられない
ステップ4:大切な人が喜ぶことにお金を使おう
私の周りにいるお金持ちの人は、いつも人を喜ばせることを考えています。
さりげなくご馳走してくださったり、誕生日でもない日に「これ美味しかったから」とさりげなくプレゼントしてくださったり。
そういう人と接するたびに、お金をかけてくれたこと以上に、「私を喜ばせたい」という気持ちが嬉しくて、ますますその人のことが好きになります。
私もそんな存在になりたくて、ステップ1~3をすっ飛ばし、背伸びして人にご馳走したりとマネしてみたのですが、金銭的にも精神的にも苦しくなり、「そうか、自分が苦しい状態で人を喜ばせることはできないのか」と、ハッと気づいたのでした。
ステップ1~3の順番でお金をかけていくと、自分自身が満たされていきます。
すると自然に、人に与えたいという気持ちを持てるようになります。
そして、人が喜ぶためにお金を使えるようになるのです。
■人のためにお金を使うと幸福度が高まる
大切な人が喜ぶことにお金を使うと、とても幸せな気持ちになります。
カナダのサイモンフレーザー大学が実施したお金に関する実験でも「人のためにお金を使うと幸福度が高まる」という実験結果が出ています。(『99.9%は幸せの素人』KADOKAWA)
日本円で400円相当の金額を渡して、「(1)自分のために使ったグループ」と「(2)人のために使ったグループ」に分け、どちらの方が幸福度が上がったか調査したところ、(2)のグループの方が圧倒的に幸福度が上がったという結果に。
自分も人もハッピーになれるのが「大切な人の喜びにお金を使うこと」なのです。
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内野 舞(うちの・まい)
ウェルスノート代表取締役
1986年生まれ。手取り15万円以下の生活やカードローン残高400万円の返済に苦しんだ経験から、恋愛コンサルタントとして起業後、一生やりがいを感じられる仕事と、幸せなパートナーシップの両立をテーマに、延べ3000人以上と向き合う。「恋愛に悩む人の多くは、お金にも悩みを抱えている」という気付きから、心理学やマネーリテラシー、行動経済学などを学び、自らも実践。収入管理・支出最適化・資産形成の重要性を伝える教育事業を行う。
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(ウェルスノート代表取締役 内野 舞)
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