スマホを開けばついSNSを見てしまう。それは「無限スクロール」と呼ばれる機能のせいかもしれない。
※本稿は、ヨハン・ハリ著、福井昌子訳『奪われた集中力 もう一度“じっくり”考えるための方法』(作品社)の一部を抜粋・再編集したものです。
■“マッキントッシュの生みの親”の息子が作った機能
エイザ・ラスキンのことを聞いたことはないかもしれないが、彼はあなたの人生に直接介入している。実際、彼はあなたが今日どう過ごすかに影響を与えることもある。エイザは、世界をよりよくしているという自信の絶頂にあったシリコンバレーのごく一部のエリートに囲まれて育った。
彼の父親は、スティーブ・ジョブズのためにアップルのマッキントッシュを発明したジェフ・ラスキンで、彼はユーザーの注意が神聖だという一つの基本原則を掲げてそれを構築した。テクノロジーの任務は、人びとを引き上げ、より高い目標を達成できるようにすることだとジェフは信じていた。彼は息子にこう教えた。
「テクノロジーは何のためにあるんだ? なぜテクノロジーを作るのか? ぼくらがテクノロジーを作るのは、ぼくらのもっとも人間的な部分を取り出して、広げるからだ。絵筆だ。チェロとはそういうものだ。
エイザは早熟の若きプログラマーとなり、初めてユーザーインターフェイスについての講演を行なったのは10歳の時だった。20代前半の頃には、初期のインターネットブラウザのデザインに最前線で携わり、ファイアフォックスのクリエイティブリーダーを務めた。その一環として、彼はウェブの仕組みを明確に変えたものを設計した。
それは「無限スクロール」と呼ばれている。
■スクロールすれば画面が無限に更新される
年配の読者なら、インターネットがいくつかのページに分かれていて、あるページの下部に到達すると、次のページに行くためにボタンをクリックするかどうか決める必要があったことを思い出すだろう。
それは積極的な選択だった。一瞬立ち止まって自問することができたからだ。自分はこれをもっと見たいんだろうか?と考えることができたのだ。エイザは、ユーザーがそう問いかけなくてもよくなるようなコードを開発した。
フェイスブックを開いた時のことを想像してほしい。フェイスブックは、更新された近況の塊を最後まで読めるようにダウンロードしてくれる。指で下へ下へとスクロールしていく――番下にたどり着くと、自動的に別の塊が読み込まれてもっとスクロールできるようになる。
その分の一番下にたどり着くと、次の塊が自動的にダウンロードされる。それが次から次へと延々と続くのだ。それが止まることは決してない。無限にスクロールしていくのだ。
エイザはその設計に誇りを持っていた。「最初は、本当にいい発明に見えたんだ」と彼は言った。自分がみんなの生活を楽にしていると信じていた。より早く、しかも効率よくアクセスできることは常に進歩だと教えられてきた。彼の発明は瞬く間にインターネット上に広まった。
■自分の発明のせいで、多くの人が人生を無駄にした
今日、どのソーシャルメディアでも、それ以外の多くのサイトでも無限スクロールのいずれかのバージョンを使っている。
だが、エイザは周りの人びとが変わっていくのを目撃していた。自分のデバイスから離れられなくなったように見えた。彼が設計したコードのおかげもあって延々とスクロールし続けていたのだ。
彼も、後から考えればゴミだと思うようなサイトを無限にスクロールしていた。それで疑問に思ったのだ。ぼくは自分の人生を有効に生きているんだろうか、と。
32歳の時、ある日エイザは座って計算をしてみた。控えめに見積もっても、無限スクロールのせいであなたはツイッターなどのサイトに50%以上の時間を費やすことになる(多くの人にとってはもっと多いとエイザは考えている)。
この控えめな割合を堅持しつつ、エイザは、数十億人が一連のソーシャルメディアサイトに50%以上も時間を割いているとしたら、それが実際には何を意味するのかを知りたいと思った。計算をしてみて、彼はその合計をまじまじと見た。
彼の発明の直接の成果として、毎日、20万以上の人間の一生――生まれてから死ぬまでのすべての瞬間を合計して――が画面をスクロールすることに費やされている。
ぼくにこれらを説明した時、彼はまだ少し呆然としているようだった。その時間は「完全に過ぎ去ってしまったんだ。まるで一生が――フッと消えたようなものだった。その時間があれば、気候変動の解決や家族との時間、社会的なつながりを強めるために使うことができたはずだった。それが何であれ、人生を満喫させてくれるものだったはずだ。それが、ただ……」。彼の声が小さくなった。アダム(※)と彼の10代の友人たちが延々とスクロールしている姿が頭に浮かんだ。
※本書冒頭に登場する、SNSへの没頭をやめられず苦しむ少年の名前。
■「使いやすいものが人類のためになるとは限らない」
エイザはぼくに「ちょっとずるい」とは思うんだけど、と言った。「ぼくらがやっていることは、本当に世界を変えることができるんだ。
彼は、テクノロジーをより使いやすくすることは、世界をよりよくすることだと思っていたことに気がついた。だが、「設計者や技術者としてのぼくにとって深く学んだことの一つは――、使いやすいものを作ってもそれが人類のためになるとは限らないということなんだ」。
彼は父――その後他界した――のことを考え、人びとを自由にするテクノロジーをよりよいものにするという彼の決意を思い出した。自分は父親のビジョンに沿っているだろうかと思いを巡らせた。彼は、自分とシリコンバレーで働く同世代が、実際に「ぼくらを分裂させ、引き裂き、打ちのめすテクノロジーを作ってしまった」んだろうか、と問うようになった。
彼は無限スクロールと同じようにもっと多くのものを設計し、ますます気詰まりになっていった。「本当に成功し始めた頃、ぼくは不安を感じるようになったんだ」と彼はぼくに言った。
彼は、ソーシャルメディアをどんどん使うようになると、人びとがより冷徹に、怒りっぽく、敵対的になっていくのを目の当たりにしているように感じた。
■人の時間を無駄にさせるために必死になる人たち
当時、彼は自分が設計した「ポスト・ソーシャル」というアプリを運営していた。
これは、人びとがデバイスから離れて、現実の世界でより多くの人と交流できるように設計されたソーシャルメディアサイトだった。
どのくらいの頻度で使われるのか? 一日に何回使われるのか? 誰かの時間をいかに無駄にさせるかだけを考える人物は、エイザの望むあり方ではなかった。だが「この引力がどんなものか、きみならわかるよね。このアプリを、ぼくらが反対しようとしていたことすべてに引き寄せてしまうんだから」。
その根底にあるシステムの論理は、エイザからすれば露骨だった。シリコンバレーは「世界中のすべての人をつなぐとかなんとか、大きくて高い目標を明確に打ち出すことで自らを売り込むんだ。だけど、実際の日々の仕事では、それって、ユーザー数を増やすことなんだ」。
そこで売られているのは、誰かの注意を引きつけて離さない能力だ。彼がこれについて議論しようとした時、彼はピシャリと否定された。
「たとえば、パンを焼いているとしよう。作る時に秘密の物質を使って、すごくおいしいパンを焼いているとする――ここで突然、きみは世界のためにパンを無料で焼くことにしたんだ。すべての人がきみのパンを食べている。そしたら、一人の科学者がやってきてこう言うんだ。『ところで、われわれはその秘密物質がガンの原因だと考えています』ってね。きみはどうする? ほぼ確実にこう言うんじゃないかな。『そんなはずはありません。もっと調べる必要があります。もしかしたら、その辺にいる人たちが何か別のことをしているせいかもしれませんしね。ほかの要因があるかもしれませんよ』って」
■シリコンバレーの人たちは「世界最大の加害者」
エイザは同じような危機の真只中にあった業界中の人に会い続けた。「個人的にだけど、闇に追い込まれた人たちを間近で見たんだ」と彼は言う。
彼は、シリコンバレーの住民が自ら作り出した物に乗っ取られて逃げようとしているように見えた。テクノロジーをよしとしない何人かに会った時、彼らのあまりの若さが印象的だった。まるでおもちゃを発明し、そのおもちゃが世界を征服するのを見ている子どものようだった。誰もが、自ら発明したプログラムに抗おうとして先を争うように瞑想にふけっていたのだ。
「皮肉なもんでね、フェイスブックやグーグルではマインドフルネスのワークショップが大人気だ――反射的に意思決定をしないように心のスペースを作るためのやつだ。同時に、彼らはマインドフルネスにはほど遠い世界最大の加害者でもある」と彼は気がついたのだった。
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ヨハン・ハリ(ヨハン・ハリ)
ジャーナリスト
1979年生まれ。英国出身のジャーナリストで、世界的ベストセラー作家。これまでの著書は38の言語に翻訳されている。最初の著書『麻薬と人間 100年の物語』(邦訳、作品社、2021)をもとにした映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』はゴールデングローブ賞(ドラマ部門)主演女優賞を受賞し、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。第二作『うつ病 隠された真実』(邦訳、作品社、2024)も話題を呼び、『ニューヨーク・タイムズ』『サンデー・タイムズ』のベストセラーに選ばれた。「依存症とうつ病」をテーマにしたTEDトークの動画は8000万回以上再生されている。
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(ジャーナリスト ヨハン・ハリ)
その機能を開発した男性プログラマーは「自らの発明で多くの人の時間を奪ってしまった」と後悔を口にしている。イギリス出身のジャーナリストが書いた『奪われた集中力 もう一度“じっくり”考えるための方法』(作品社)から、苦悩するプログラマーのエピソードを紹介する――。
※本稿は、ヨハン・ハリ著、福井昌子訳『奪われた集中力 もう一度“じっくり”考えるための方法』(作品社)の一部を抜粋・再編集したものです。
■“マッキントッシュの生みの親”の息子が作った機能
エイザ・ラスキンのことを聞いたことはないかもしれないが、彼はあなたの人生に直接介入している。実際、彼はあなたが今日どう過ごすかに影響を与えることもある。エイザは、世界をよりよくしているという自信の絶頂にあったシリコンバレーのごく一部のエリートに囲まれて育った。
彼の父親は、スティーブ・ジョブズのためにアップルのマッキントッシュを発明したジェフ・ラスキンで、彼はユーザーの注意が神聖だという一つの基本原則を掲げてそれを構築した。テクノロジーの任務は、人びとを引き上げ、より高い目標を達成できるようにすることだとジェフは信じていた。彼は息子にこう教えた。
「テクノロジーは何のためにあるんだ? なぜテクノロジーを作るのか? ぼくらがテクノロジーを作るのは、ぼくらのもっとも人間的な部分を取り出して、広げるからだ。絵筆だ。チェロとはそういうものだ。
言葉とはそういうものなんだ。これらがぼくらの一部を広げるテクノロジーなんだよ。テクノロジーは人間を超人にするものじゃない。ぼくらを特別な存在にするものなんだ」
エイザは早熟の若きプログラマーとなり、初めてユーザーインターフェイスについての講演を行なったのは10歳の時だった。20代前半の頃には、初期のインターネットブラウザのデザインに最前線で携わり、ファイアフォックスのクリエイティブリーダーを務めた。その一環として、彼はウェブの仕組みを明確に変えたものを設計した。
それは「無限スクロール」と呼ばれている。
■スクロールすれば画面が無限に更新される
年配の読者なら、インターネットがいくつかのページに分かれていて、あるページの下部に到達すると、次のページに行くためにボタンをクリックするかどうか決める必要があったことを思い出すだろう。
それは積極的な選択だった。一瞬立ち止まって自問することができたからだ。自分はこれをもっと見たいんだろうか?と考えることができたのだ。エイザは、ユーザーがそう問いかけなくてもよくなるようなコードを開発した。
フェイスブックを開いた時のことを想像してほしい。フェイスブックは、更新された近況の塊を最後まで読めるようにダウンロードしてくれる。指で下へ下へとスクロールしていく――番下にたどり着くと、自動的に別の塊が読み込まれてもっとスクロールできるようになる。
その分の一番下にたどり着くと、次の塊が自動的にダウンロードされる。それが次から次へと延々と続くのだ。それが止まることは決してない。無限にスクロールしていくのだ。
エイザはその設計に誇りを持っていた。「最初は、本当にいい発明に見えたんだ」と彼は言った。自分がみんなの生活を楽にしていると信じていた。より早く、しかも効率よくアクセスできることは常に進歩だと教えられてきた。彼の発明は瞬く間にインターネット上に広まった。
■自分の発明のせいで、多くの人が人生を無駄にした
今日、どのソーシャルメディアでも、それ以外の多くのサイトでも無限スクロールのいずれかのバージョンを使っている。
だが、エイザは周りの人びとが変わっていくのを目撃していた。自分のデバイスから離れられなくなったように見えた。彼が設計したコードのおかげもあって延々とスクロールし続けていたのだ。
彼も、後から考えればゴミだと思うようなサイトを無限にスクロールしていた。それで疑問に思ったのだ。ぼくは自分の人生を有効に生きているんだろうか、と。
32歳の時、ある日エイザは座って計算をしてみた。控えめに見積もっても、無限スクロールのせいであなたはツイッターなどのサイトに50%以上の時間を費やすことになる(多くの人にとってはもっと多いとエイザは考えている)。
この控えめな割合を堅持しつつ、エイザは、数十億人が一連のソーシャルメディアサイトに50%以上も時間を割いているとしたら、それが実際には何を意味するのかを知りたいと思った。計算をしてみて、彼はその合計をまじまじと見た。
彼の発明の直接の成果として、毎日、20万以上の人間の一生――生まれてから死ぬまでのすべての瞬間を合計して――が画面をスクロールすることに費やされている。
そこに費やされていなければ、これらの時間はほかの活動に向けられていたはずだった。
ぼくにこれらを説明した時、彼はまだ少し呆然としているようだった。その時間は「完全に過ぎ去ってしまったんだ。まるで一生が――フッと消えたようなものだった。その時間があれば、気候変動の解決や家族との時間、社会的なつながりを強めるために使うことができたはずだった。それが何であれ、人生を満喫させてくれるものだったはずだ。それが、ただ……」。彼の声が小さくなった。アダム(※)と彼の10代の友人たちが延々とスクロールしている姿が頭に浮かんだ。
※本書冒頭に登場する、SNSへの没頭をやめられず苦しむ少年の名前。
■「使いやすいものが人類のためになるとは限らない」
エイザはぼくに「ちょっとずるい」とは思うんだけど、と言った。「ぼくらがやっていることは、本当に世界を変えることができるんだ。
それなら、次の質問を思いつくよね。ぼくらはどのようにして世界を変えたんだろうって」。
彼は、テクノロジーをより使いやすくすることは、世界をよりよくすることだと思っていたことに気がついた。だが、「設計者や技術者としてのぼくにとって深く学んだことの一つは――、使いやすいものを作ってもそれが人類のためになるとは限らないということなんだ」。
彼は父――その後他界した――のことを考え、人びとを自由にするテクノロジーをよりよいものにするという彼の決意を思い出した。自分は父親のビジョンに沿っているだろうかと思いを巡らせた。彼は、自分とシリコンバレーで働く同世代が、実際に「ぼくらを分裂させ、引き裂き、打ちのめすテクノロジーを作ってしまった」んだろうか、と問うようになった。
彼は無限スクロールと同じようにもっと多くのものを設計し、ますます気詰まりになっていった。「本当に成功し始めた頃、ぼくは不安を感じるようになったんだ」と彼はぼくに言った。
彼は、ソーシャルメディアをどんどん使うようになると、人びとがより冷徹に、怒りっぽく、敵対的になっていくのを目の当たりにしているように感じた。
■人の時間を無駄にさせるために必死になる人たち
当時、彼は自分が設計した「ポスト・ソーシャル」というアプリを運営していた。
これは、人びとがデバイスから離れて、現実の世界でより多くの人と交流できるように設計されたソーシャルメディアサイトだった。
彼はこのアプリの開発を次の段階に進めるために資金を調達しようとしていたところだったが、投資家が知りたがったのは、このアプリを通じてどれだけの人びとの注目を集め、かつ、引きつけておけるかということだった。
どのくらいの頻度で使われるのか? 一日に何回使われるのか? 誰かの時間をいかに無駄にさせるかだけを考える人物は、エイザの望むあり方ではなかった。だが「この引力がどんなものか、きみならわかるよね。このアプリを、ぼくらが反対しようとしていたことすべてに引き寄せてしまうんだから」。
その根底にあるシステムの論理は、エイザからすれば露骨だった。シリコンバレーは「世界中のすべての人をつなぐとかなんとか、大きくて高い目標を明確に打ち出すことで自らを売り込むんだ。だけど、実際の日々の仕事では、それって、ユーザー数を増やすことなんだ」。
そこで売られているのは、誰かの注意を引きつけて離さない能力だ。彼がこれについて議論しようとした時、彼はピシャリと否定された。
「たとえば、パンを焼いているとしよう。作る時に秘密の物質を使って、すごくおいしいパンを焼いているとする――ここで突然、きみは世界のためにパンを無料で焼くことにしたんだ。すべての人がきみのパンを食べている。そしたら、一人の科学者がやってきてこう言うんだ。『ところで、われわれはその秘密物質がガンの原因だと考えています』ってね。きみはどうする? ほぼ確実にこう言うんじゃないかな。『そんなはずはありません。もっと調べる必要があります。もしかしたら、その辺にいる人たちが何か別のことをしているせいかもしれませんしね。ほかの要因があるかもしれませんよ』って」
■シリコンバレーの人たちは「世界最大の加害者」
エイザは同じような危機の真只中にあった業界中の人に会い続けた。「個人的にだけど、闇に追い込まれた人たちを間近で見たんだ」と彼は言う。
彼は、シリコンバレーの住民が自ら作り出した物に乗っ取られて逃げようとしているように見えた。テクノロジーをよしとしない何人かに会った時、彼らのあまりの若さが印象的だった。まるでおもちゃを発明し、そのおもちゃが世界を征服するのを見ている子どものようだった。誰もが、自ら発明したプログラムに抗おうとして先を争うように瞑想にふけっていたのだ。
「皮肉なもんでね、フェイスブックやグーグルではマインドフルネスのワークショップが大人気だ――反射的に意思決定をしないように心のスペースを作るためのやつだ。同時に、彼らはマインドフルネスにはほど遠い世界最大の加害者でもある」と彼は気がついたのだった。
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ヨハン・ハリ(ヨハン・ハリ)
ジャーナリスト
1979年生まれ。英国出身のジャーナリストで、世界的ベストセラー作家。これまでの著書は38の言語に翻訳されている。最初の著書『麻薬と人間 100年の物語』(邦訳、作品社、2021)をもとにした映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』はゴールデングローブ賞(ドラマ部門)主演女優賞を受賞し、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。第二作『うつ病 隠された真実』(邦訳、作品社、2024)も話題を呼び、『ニューヨーク・タイムズ』『サンデー・タイムズ』のベストセラーに選ばれた。「依存症とうつ病」をテーマにしたTEDトークの動画は8000万回以上再生されている。
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(ジャーナリスト ヨハン・ハリ)
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