掘削工事等に伴い発生する有害な自然由来重金属(※1)を含む岩石や土砂の量は、近年は、その対策を行う必要のある建設工事の対象が拡大されてきたことに伴い、増加傾向にあります。
しかしながら、通常これらの事業で発生する土砂の量は膨大であり、その処理には多大なコストを要し、事業者の大きな負担となっています。また、近年の研究では、これらの対策工事に係る温室効果ガス(CO2)の排出量も1事業あたり21.6万kgとの算出例もあるなど、地球環境に与える負荷も決して少なくありません。
このため、低コスト・低環境負荷型の自然由来重金属等の新たな対策方法が望まれますが、特に岩石を掘削した岩砕(ずり)の対策においては、盛土内部における重金属等の溶出や吸脱着といった物質挙動は十分に解明されておらず、それらの挙動を踏まえた対策方法の立案が困難な現状にあります。
この技術課題を解決するため、弊社は、つくば市の自社敷地内に実大盛土実験設備を設置し、盛土内部の自然由来重金属類の物質挙動及び環境変化とその測定に関する研究をオープンラボとして推進することといたしました。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/47274/table/31_1.jpg ]
(※1)自然の岩盤や地層に含まれているヒ素やフッ素、鉛などの天然の有害重金属。
[画像: https://prtimes.jp/i/47274/31/resize/d47274-31-543617-0.png ]
盛土実験設備のイメージ図。
重金属を含む岩砕盛土中に様々なセンサを配置し、降雨等により盛土内に浸透した汚染物質が溶出・吸脱着するメカニズムを把握することで、低コストかつ適切な環境対策工事の確立をめざす
コンソーシアムは2021年2月1日に設立し、法人会員7団体、個人会員10名で発足しました。
盛土実験設備には、様々な最新のIoTセンサを設置し、盛土の内部環境の測定と間隙水・浸出水の定期水質分析を行い、重金属等の挙動を確認します。約2年間の実証試験を行い、適切なモニタリング方法の確立とともに低コスト・低環境負荷型の対策工法の開発・普及を目指していきます。
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