生物多様性ビッグデータとA Iで実効性のある脱炭素対策を支援

株式会社シンク・ネイチャー(代表取締役:久保田康裕、以下「シンク・ネイチャー 」)とOcean180プロジェクトは、人工知能学会、千葉工業大学 人工知能・ソフトウェア技術研究センターと連携して、科学的に実効性のある脱炭素対策への貢献を目指し、ブルーカーボンクレジット事業の基盤となる、ブルーカーボン可視化A I開発のコンペを開催します。

[画像: https://prtimes.jp/i/100724/6/resize/d100724-6-7cee88fb033841d8da0b-0.png ]


生物多様性の喪失が非常に重大な地球規模のリスクとして認識されるようになってきています。
シンク・ネイチャーが参画しているOcean180プロジェクト1) ( https://ocean180-pj.com )は、海洋生物多様性に関する膨大なデータを整備し、それにより海の生物多様性の時空間の変化を把握し、将来のリスクを予測できるようにするための研究開発を行っています。コンペティションでは蓄積したデータの一部を利用して、生物多様性に関連する予測タスクに挑んでいただきます。これをきっかけに一人でも多くの人工知能、データサイエンスの研究者の皆さんが生物多様性の課題に関心を持ち、問題の解決に寄与していただくことを期待しています。

1) Ocean180は、文部科学省「海洋資源利用促進技術開発プログラム海洋生物ビッグデータ活用技術高度化」のプロジェクトで、琉球大学の久保田康裕教授をリーダーとして、海の生物多様性ビッグデータやAIを基に、「海の豊かさ」を見える化することを目的にしています。科学者、市民、行政、企業、金融機関が協働して、海の恩恵を次世代へ受け継ぐ社会を創るための10年プロジェクトです。

【キックオフイベント(オンライン)】
 2023年1月21日(土曜日)13:00:
 アジェンダ
  生物多様性ビッグデータについての解説
Ocean180プロジェクトより生物多様性に関する様々なデータを紹介し、生物多様性の時空間予測手法について簡単に紹介

  コンペ説明
  課題
  参加要領およびルール説明
  データダウンロード要領
 コンペ開催オンラインイベント参加申込
 https://stair.connpass.com/event/269118/

【コンペ概要】
 沖縄県沿岸の水深・水温等の環境条件のデータから、海藻の被度を予測しよう!
 ■ 主催:Ocean180プロジェクト、千葉工業大学 人工知能・ソフトウェア技術研究センター
 ■ 共催:人工知能学会
 ■ 協賛:株式会社シンク・ネイチャー
詳細はこちら(https://ocean180-pj.com/notice)を参照ください。


課題
沖縄県全域を対象として、ブルーカーボンの重要な指標となる海草藻場の被度(一定面積の地表面や海底面を覆う割合)を、環境変数や衛星画像をもとに推定するコンペを実施いたします。様々な場所と年代、時期に調査された、15,000点ほどの海藻の被度データと、様々な環境変数や衛星画像をトレーニングデータとして用いて、2019年秋季時点の海藻被度を推定していただき、テストデータにより精度を検証いたします。

全体スケジュール
 2023年1月21日 ~ 4月30日:コンペ期間
 2023年5月1日 ~ 5月31日:入賞モデル審査、決定
 2023年6月6日 ~ 9日:結果発表・表彰式、入賞者によるプレゼン
 第37回人工知能学会全国大会の企画セッション(申込予定)として開催

賞金
◆第1位 50万円
◆第2位 30万円
◆第3位 20万円

【本コンペの背景】
気候変動問題の解決策の一つとして、沿岸域の海草藻場を再生して炭素を貯留するブルーカーボンが注目されています。海草や藻類が光合成をして成長する過程で、海中に炭素が固定されるので、海草藻場再生が温暖化対策に貢献するという考え方です。ビジネスの世界では、企業が排出した炭素をオフセットする目的で、ブルーカーボンによる炭素取引が活発になりつつあります。

しかし、海草藻場を人工的に再生するのは技術的に困難である上に、実際の再生事業は自然のメカニズムを十分に考慮できていないことが指摘されています。
さらに、海草藻場における炭素の長期貯蔵の効果も必ずしも担保されている訳ではありません。例えば、沿岸域のマングローブ、海草藻場、干潟湿地などのブルーカーボンを利用した炭素隔離・貯留は不確実で信頼性が低く、気候変動に対する費用対効果に疑問符がつき、過剰なクレジットをもたらすことが懸念されています。

特に日本の場合、台風や河川からの土砂の流入などで、大規模な撹乱が起こりやすく、沿岸域の海草藻場、特に内湾の堆積環境に成立するアマモ場は、時間的・空間的な変動性がとても大きいのです。したがって、生態学的に不適切な場所で自然再生事業を行っても、人工的な海草藻場は、頻繁な自然攪乱で消失するリスクがあります。実効性のあるブルーカーボン事業を推進するためには、実際の海草藻場の空間的な分布の成り立ちを把握し、海草藻場生態系の時間的な変動の仕組みを理解する必要があります。

そもそも、自然界では、海草藻場がどのような場所に成立し、どれくらいの時間スケールで成長したり消失したりしているのでしょうか。
これらの問いへの科学的な解答こそが、ブルーカーボン事業を成功させる鍵になります。このような背景とモチベーションから、私たちは、ブルーカーボンのダイナミクスを可視化するAIを開発するコンペを通して、科学的に実効性のある脱炭素対策に貢献します。今回のコンペを元に、以下のような展開を想定しています。1)日本・世界の海草藻場の分布適地と被度分布を明らかにします。そして、2)日本・世界の海草藻場の分布適地と被度の時間変動(場所依存の不確実性)を明らかにします。最終的に。
3)場所依存の不確実性を基に、海草藻場の再生失敗リスクと炭素固定貯留が機能する時間を可視化します。これにより、ブルーカーボン適地マップ、日本・世界スケールの海草藻場の炭素固定貯留効果の実効性を評価します。

【シンク・ネイチャーについて】
[表: https://prtimes.jp/data/corp/100724/table/6_1_15fe4245f137bd8caff2eba124d5880d.jpg ]


                                               以 上

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