
アメリカで開催されているFIFAクラブワールドカップ2025も、決勝戦を残すのみとなった。
参加チーム数が大幅に拡大し、賞金総額も約1500億円という、まさに「クラブチームのワールドカップ」として生まれ変わった今大会。
決勝に駒を進めたのはチェルシーとパリ・サンジェルマン(PSG)だが、ここまでの道程でさまざまなドラマが生まれてきた。
そこで、決勝戦を前に、世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーであるGetty Images(ゲッティイメージズ)との共同企画を実施。今大会のカメラマンチームが選んだ「ベストショット」をお届けする。
第1回となる今回は、準々決勝4試合の「ベストショット」。コメントを寄せてくれたのは、Getty Imagesのグローバルスポーツコンテントシニアディレクター、ポール・ギルハ氏だ。
「FIFAクラブワールドカップ準々決勝では、世界中の名門クラブが激突しました。ヨーロッパの強豪バイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントは共に敗退。マンチェスター・シティを下したアル・ヒラルも、フルミネンセの壁を越えることはできませんでした。
ノックアウト方式の試合では、劇的な瞬間が生まれます。中でも注目を集めたのは、ついに登場したキリアン・エムバペ。レアル・マドリー対ボルシア・ドルトムント戦で、彼が決めたオーバーヘッドによるチーム3点目は、まさに詩的な美しさを放つ瞬間でした。
その瞬間を完璧に捉えたのが、デイヴィッド・ラモスとエクトル・ビバス。

一方、エクトルのアングルは一味違い、ボールがエムバペの足元を離れた直後を捉えたもの。観客たちは次の瞬間に起きる奇跡を見守り、ほんの数ミリ秒後にはスタンディングオベーションでその偉業を称えました。
同じ試合で、ルーク・ヘイルズはレアル・マドリーのゴンサロ・ガルシアによる先制ゴール(1-0)の瞬間を捉えました。そのアングルはユニークで躍動感があります。彼はゴール右上に特別な『ネットカム』を設置し、テレビでは見られない視点からの一枚を撮影しました。

我々チームは常に革新を目指し、人々が目にしない瞬間を捉えることに挑戦しています。ルークの写真は、観る人を試合の中に引き込むような迫力があります。
今週のスポーツニュースでは、リヴァプールのスター選手ディオゴ・ジョタとその兄アンドレ・シウヴァが交通事故で命を落としたという悲しい出来事が大きな話題となりました。パトリック・スミスは、選手たちと観客が2人の偉大な兄弟に黙祷を捧げる瞬間を、上空からのユニークなアングルで撮影しました。

最後にご紹介するのは、ステフ・チェンバースが撮影した一枚。パリ・サンジェルマンのデジレ・ドゥエがバイエルン・ミュンヘン戦でチームの先制点を決めた直後、情熱的に喜ぶ姿を捉えています。

この勝利により、PSGは準決勝でレアル・マドリーとの対戦が決定。ヨーロッパの覇権を争う両クラブによる一戦は、目が離せないカードになるでしょう。私たちもその熱戦をカメラで記録するのが待ちきれません」
スポーツ写真を一度でも撮影したことがある方なら、これらの写真を撮るのがいかに困難か分かるはず。しかもこうして並べてみると各カメラマンの志向なども少し見えてきて面白い。
この企画は、本日までに行われた準決勝、そして決勝でもそれぞれお届けする予定。
クラブ世界一をかけた熱戦が繰り広げられる中で、“一瞬”を切りとるカメラマンたち。まさにプロフェッショナルと言える仕事ぶりを背景などとともにぜひ楽しんでほしい。