
[J2第22節、ジェフユナイテッド千葉 0-2サガン鳥栖、7月5日、千葉・フクダ電子アリーナ]
千葉は8位の鳥栖に敗れて、暫定4位に転落。
公式戦8試合ぶりの勝利を目指したが、攻撃の糸口を見つけられず、無得点でリーグ戦3連敗を喫した。
大卒ルーキーは復調のキーマンになれるか
岩井と鳥栖DF井上太聖による順天堂大の同期対決は、井上に軍配が上がった。
この日、公式戦7試合ぶりの出場となった岩井は「この夏が勝負です」と、個人とチームの成長を誓った。
2月9日に行われたちばぎんカップに出場した岩井(左)「あいつ(井上)は同期で一緒にやっていたので、いろいろと思うことはありますが、負けたくないという気持ちが強かったです。(井上とJ2大分トリニータDF宮川歩己[あゆき]の存在は)刺激になっていますし、自分も負けじとやっていかないといけない」
J2第16節ベガルタ仙台戦(0△0)後は負傷の影響もあり、ピッチには立てず。スタメン奪取に向けて、トレーニングから小林慶行(よしゆき)監督にアピールを続けていた背番号27は強い気持ちで鳥栖戦に臨んだ。
勢いよく試合に入った千葉イレブンだったが、前半14分にFW田中和樹が負傷交代。その後は攻め手を欠いた。
前半31分に先制点を許すと、後半24分にはオウンゴールで失点。2失点すると、後半38分にはDF植田悠太(ゆた)が足の痛みを訴えた。

岩井は植田に代わって左サイドバックの位置で出場。本職ではなかったが、「大学(順天堂大)時代にやったことがあるので、ぜんぜんやれる感触でした」とユーティリティ性を発揮した。
ルーキーは攻めれば得意のドリブル突破と両利きを生かしたクロスボールでチャンスを演出、守れば気迫あふれるプレッシャーで逆転を目指した。
「監督からは『クロスを上げてこい』と言われていました。負けていたので、点を取るためにチャンスを作って、それがゴールに結びつけばと思っていましたが、最終的には起点になれなくて悔しかった」と唇を噛んだ。
試合はそのまま0-2で終了。ゴール裏からブーイングが飛び、指揮官は「当然だと思います」と肩を落とした。
公式戦8戦未勝利となり、暫定4位に転落。出口の見えないトンネルに迷い込んでしまったように見えるが、ルーキーは力強い言葉を残した。

「そこまで悲観しているわけではなくて、きょうも自分たちのやりたい前から行くプレーはありました。それを継続していけば、結果も付いてくると思うので、練習からチーム全員でやっていきたい」と頼もしい。
次節は、今月12日午後7時からNDソフトスタジアム山形で、J2モンテディオ山形と対戦する。
岩井は自分こそが復調のキーマンになれると信じている。
「練習から120パーセントでやるしかない。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)