
[J2第22節、ジェフユナイテッド千葉 0-2サガン鳥栖、7月5日、千葉・フクダ電子アリーナ]
3位千葉は8位鳥栖に0-2で敗れ、リーグ戦3連敗を喫した。ゴール裏からはブーイングが響いた。
今季より期限付き移籍で加入したFWデリキは、J2第2節以来の公式戦出場となった。後半29分よりフォワードの位置で投入されると、果敢にゴールを狙い続けた。
復帰したデリキが千葉の救世主になれるか
待望の復帰戦だった。
今季よりアトレチコ・ゴイアニエンセ(ブラジル2部)より加入したデリキは、「自分にとって(復帰は)長いだけではなくて、ただただ苦しい期間だった」とここまでを振り返った。
シーズン開幕当初は千葉の新ストライカーとして期待を集めたが、度重なる負傷によってJ2第2節以降試合に出場できていなかった。
開幕いわきFC戦に出場したデリキつらいリハビリを余儀なくされたデリキだったが、J1復帰を目指すチームの力になろうと懸命に努力を重ねた。
この日、ホームに鳥栖を迎えた千葉は前半31分に先制点を許すと、その後も攻撃の糸口を見つけられなかった。後半24分にはオウンゴールで失点。
同29分に投入されたデリキは「やっと試合に出られたので、うれしい気持ちでピッチに入りました。いろいろな方々のサポートがあって、ケガを乗り越えることができました。個人として、一皮向けて成長できた時期でもあったと思います」と逆転を目指した。
フォワードの位置で出場すると、185センチの身長を生かしたポストプレーで攻撃にリズムを生み出した。

後半31分には、左サイドから上げられたクロスボールにボックス内で合わせ、左足ダイレクトシュートを放つも、相手GKにストップされた。
「正直、(ボールが足に)当たった瞬間は『入った』と思いました。自分の周りに誰もいないような感覚だったんですけど、近くにいたディフェンダーに当たったと思います」と悔しさをあらわにした。
なんとかして得点を奪いたかったが、鳥栖の5バックを最後まで崩しきれずに試合終了。0-2で敗れ、リーグ戦3連敗を喫したイレブンには、ゴール裏からブーイングが飛んだ。
公式戦9試合ぶりの勝利を目指す次節は、今月12日午後7時からNDソフトスタジアム山形で、J2モンテディオ山形と対戦する。
復帰戦を終えたデリキは「苦しい時期だからこそ、諦めない姿勢を見せなければいけない」と活躍を誓った。
「すべてには何かしらの意味があると思っています。このタイミングで復帰したことにも意味がある。やっぱりゴールを決めないといけないと思っているので、自分にもプレッシャーをかけないといけません。ジェフのJ1昇格という目標のために、日々の練習から取り組んでいきたいです」と、復活したデリキが千葉の救世主になる。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)