
J1リーグも残すところ5試合となりました。
残留争い、優勝争い、そしてACL圏内争いと激化していくそれぞれの闘い。
今回はアルビレックス新潟の現状と立ち位置、そして残り5試合について考えみようと思います!
アルビレックス新潟
14位:10勝 9分 14敗(33試合)、勝点39
得点43、失点55、得失点差-12
現在のベストスタメン
夏の移籍期間の動きと補強について
【IN】
• 橋本健人(7/30)[徳島/新加入]
【OUT】
• 森璃太(8/16)[福島/期限付き]
特に大きな動きがなかったのがアルビレックス新潟。チームとしての完成度が高い分、入れ替わりが少ないのは納得です。しかしその中で手薄だったポジションがあります。それがSB。最も手薄だったSBの補強を行なったことはピンポイントで納得の補強でした。
徳島ヴォルディスから加入した橋本健人はアルビレックス新潟にすぐにフィットしてみせました。27節のアビスパ福岡戦で加入後初出場を果たした彼のパフォーマンスは驚くもので、出場すれば確かなインパクトを残しています。
特にルヴァン杯 準決勝の川崎フロンターレ戦のパフォーマンスは圧巻でした。起点を作り出すことはもちろんのことながら、相手をしっかりと待てるプレス耐性も持ち合わせています。ゆえにボールを受けることを怖がらずにプレーすることができるので、周囲の選手にパスコースを創出すること、時間とスペースを貯金することができる選手です。
出ずっぱりだった堀米悠斗の代わりとして、いや彼を脅かす存在として名を馳せるかもしれません、
手薄だったSBに橋本健人を加え、さらに稲村隼翔も台頭しました。的確でピンポイントな補強とともに圧倒的な完成度を誇るアルビレックス新潟。ルヴァン杯で決勝へ進み、新たな歴史を1つ刻んだアルビレックス新潟。
初タイトルまであと一つ。そして選手を休ませながら最大出力を維持し、J1リーグ残留を決め切りたいところです。
残りの対戦相手とその予想
34節 横浜F・マリノス戦(A)
最大火力は確実にJ屈指。しかしその最大火力をどのように出していくか、はたまたどのように支えていくかに苦しんでいる印象です。
しかし裏を返せば、攻撃がガッチリ噛み合えば、F・マリノスを止めることは難しいとも言えます。常に早さを選択しながらゴールに迫っていくために、SBの内取りと外取り、それに付随するローテーションを加えながらスペースを作り出していきます。ズレと遅れを見つけるとその優位性に飛びついていくことで、それを増幅させていきます。ゆえにハマった時の攻撃力はとんでもないものになっているのだと思います。
しかし前進のところで引っ掛かること、ネガティブトランジションの機能不全が多々起こり得ることもまた事実。
よって、アルビレックスは丁寧に442のブロックを作り出しながら、迎撃とショートカウンターを作り出していきたいところです。参考にしたいのはやはりルヴァン杯 準決勝のフロンターレ戦です。1st legも2nd legも442のブロックを作り出して、守備から試合を進めていました。
出る・出ないのプレスの線引きを行いながら、中央消しと入ってくるパスを迎撃してカウンターを行っていました。人を守るのではなく、ゾーンを守っているので、F・マリノスのローテーションにも混乱することは少ないと思います。
442のブロックを作りながら、前進を食い止めると、F・マリノスのCFやWGがボールを引き取りに降りにきます。ここを狙って奪い切ることができれば、ショートカウンターを打ってゴールまで迫ることができそうです。
また、現在のF・マリノスのプレスは単騎特攻になっています。ここを1つ1つ剥がして前進していくことで、自然と訪れるチャンスの回数は増えるでしょう。
強みと弱点が明確なF・マリノス。相手に少し合わせながら、アルビレックスらしく勝ちにいきたいところです。
35節 東京ヴェルディ戦(H)
基本に忠実で、なおかつ堅実。情熱の監督の下、若き力が成長をし続けてトップハーフに食い込んでいます。
保持では3-2の土台を作り出しながら、中盤を引っ張り出すことを考えています。これを作り出しながら、WBに届けた瞬間の斜めのパスとCFへの上のパスと2ndボールの回収で前進をしていきます。
WBのところで最終ラインから1枚引っ張り出した場合は積極的に背後を使っていきます。優先順位を決して見失うことなく、さらにチームとしての共有も高いレベルにあります。守備では523と541を使い分けながらボールを奪っていくこと、ゴールを守っていくことを行っています。
対するアルビレックスです。まずはやはり1stプレスラインをどのように広げるか、もしくは分断させるかがポイントになってきます。基本的にSBで起点は作れると思うのですが、ここに届けた際のWBの止め方もポイントになりそうです。
SBで安全に起点を作り出すことができれば、1stプレスラインを広げることやプレスバックさせてプレスを空転させることができそうです。ここから中央を使いながら、CFの出口とSHの背後をちらつかせることで、押し込んでいくことは叶いそうです。
問題は守備の局面です。2トップでCHの管理を行うことが多くなりそうな一戦です。しかしヴェルディのCB陣はボールを持ち出しながら、スペースを作り出す、1stプレスラインを越えていくことのできる選手たちです。ここにSHを押し出すのか、2トップに管理させるのか、この辺りは試合を進めていく上で、とても重要なポイントになりそうです。
変幻自在で基本に忠実。もしかすると最も難しい相手かもしれません。
36節 柏レイソル戦(A)
堅守速攻。レイソルのスタイルははっきりしています。
ハイプレスとミドルプレスを使い分けながら、ショートカウンターでゴールに迫ります。またボールを握る場合は2-2の土台になることが多く、SBに幅を取らせることによって、SHを内側でプレーさせる、もしくは解放して自由度高くプレーさせます。特にマテウス・サヴィオのプレーっぷりはレイソルを支え、他のチームの脅威となっていることは間違いありません。
そこでアルビレックスです。やはりまずはレイソルのスタイルを考えた時に、恐れずに回避していきたいところです。レイソルは4バックのチームに対して、存外な強さを誇ります。特にSHとCHの守備の鎖が強固になっています。アルビレックスはまずはここの鎖を引きちぎりたいところです。
レイソルは2トップの方向付けが上手なチームなので、CHの縦や斜めの関係で、プレスの方向付けや基準をズラすことで、一度中央を経由できそうです。これを行えば、CHをほぼ必ず釣り出せるので、SHとCHの守備の鎖を切ることができそうです。
ここからCFの出口とSHの背後をセットで考えていくと、プレス回避と崩しに入っていけそうです。また442のゾーンディフェンスでマテウス・サヴィオを隠していきたいところです。
ボールを握りならがら押し込む事ができれば、レイソルの強みを完全に消すことはできそうです。自分たちの信念を押し出して、残留争いを繰り広げるチームにしっかりと勝ち切りたいところです。
37節 ガンバ大阪戦(H)
ボールを握ること、ボールと共にプレーすることにおいて、アルビレックス新潟と似たような立ち位置にいるチームです。Jリーグで最もゆったりプレーできるチームですが、最近はそのバランス感覚が崩れている印象です。
33節はコンサドーレに劇的な勝利を収めましたが、チームとして改善されているかと言われると、少し首を傾げる状況だと思います。ボールが前方に付けられない状況になると、CFやOMF、SHも降りてきてしまうので、自分たちのスペースがなくなってしまいます。そこで詰まってボールを失い試合のテンポを手放すのがここ最近のガンバ大阪です。
さらにSBもかなり高い位置に初めから出るようになったので、トランジションが効かなくなった時に、SBの背後を使われてカウンターを受ける回数は明らかに増えています。
そこでアルビレックスです。まずは442の守備ブロックを丁寧に作り出していきたいところです。これを作り出せば、CFやOMFが降りてくるので、そこに対して迎撃を作り出す事ができればカウンターを発動させることは容易になりそうです。
またこの際にSBが高い位置をとるので、SBが開けたスペースを使いながら攻撃を仕掛ける事ができれば、より効果的な攻撃になってきそうです。ローブロックを作った時も同様で、ボールサイドに人が多くなるので、ここで圧縮しながら横断して速攻を使っていきたいところです。
ボールを押し付けながら、カウンターでゴールに迫る回数を増やしていけば、自然と勝利を掴めそうです。
38節 浦和レッズ戦(A)
マチェイ・スコルジャ監督になりましたが、未だに混乱しているのが浦和レッズ。どこでボールを奪うのか、奪ったボールをどこへ運んでいくのか、どこを動かして攻撃を仕掛けていくのか、試合のテンポは?崩しの導入は?前進ルートは?、、、
多くの課題が残されているの浦和レッズ。しかしこの中断期間を経て、この辺りをしっかりと修正しているはずです。スコルジャ監督の442の守備ブロックはやはり強固なものですし、第一次スコルジャ政権の時はリーグ最少失点を誇っています。ゾーンディフェンスが上手で30節のガンバ大阪戦はそれが表現された一戦だったと思います。
対するアルビレックスです。まずはレッズ2トップを走らせたいところです。レッズの2トップの守備タスクは多く、特にここで中央管理とCBへの制限ができないと、CHやSHが最終ラインに覗く事が多くなっています。
アルビレックスからすると、この中央管理と制限を上手にずらしながら、2ndラインから相手を引っ張り出して段差を作っていきたいところです。そうすると、それが攻撃の引き金になって、攻撃を仕掛けていく事ができそうです。
またガンバ大阪と同様、ボールが前方に付けられない状況になると、レッズもまた人をどんどん降ろしてボールに寄ってきます。442のミドルブロックを作りながら、降りる選手を管理して迎撃を作り出すと、カウンターに出られそうです。攻守に圧倒できそうですが、しっかりと細部を詰めて戦いたいところです。
決勝に進んだルヴァン杯。準決勝の試合内容は確実に残りの試合に大きなポジティブな影響を与えるものだと思います。
チームの色がはっきりしているアルビレックス。彼らが勝てている時は実は守備から試合に入った時。そしてそれを取り戻したのがルヴァン杯準決勝でした。ルヴァンのタイトル獲得ともに、残留も決め切りたいところです。
残りのシーズンは自分たち次第。120%のパワーで全ての試合に臨みたいところです。
Nobuya Akazawa|J1全部見るマン|
サッカーの楽しさとスタジアムの良さを伝えたるために活動中。
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