日本代表、北朝鮮との3月シリーズで「株を上げた」3名の選手
日本代表、北朝鮮との3月シリーズで「株を上げた」3名の選手

ワールドカップ2次予選で北朝鮮との2連戦を行うはずだった日本代表。

ホームでの第1戦は無事1-0で勝利したものの、アウェイでの第2戦は平壌開催が突然なくなり、結局試合は中止となってしまった。

1試合のみで活動が終わった2024年の3月シリーズ。その中で「株を上げた」3名の選手を紹介する。

田中碧

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2023年はクラブでのプレーを含め不安定な1年を過ごした田中碧、しかし、不参加のアジアカップを経て復帰した北朝鮮戦では改めてその実力を証明した。

守田英正とともに先発を果たすと、コンディションもあってか判断力の鈍さをうかがわせる元同僚を尻目に躍動。開始2分、上田綺世のヒールパスを受けて左足で正確なクロスを上げると、最後は堂安律の折り返しを冷静にゴール右隅へ流し込んでみせた。

所属のフォルトゥナ・デュッセルドルフでスタメンに定着しているためか、現在の彼は攻守4局面の移行が非常にスムーズ。90分を通してピッチ上から存在が消えることはなかった。

課題だったデュエルも北朝鮮相手とはいえ一枚も二枚も上手なところを披露。「アジアカップに呼ばれていれば」と思わざるをえない圧倒的なパフォーマンスを見せている。

前田大然

日本代表、北朝鮮との3月シリーズで「株を上げた」3名の選手
日本代表、北朝鮮との3月シリーズで「株を上げた」3名の選手

アジアカップ準々決勝のイラン戦に続き、左サイドで先発した前田大然。所属のセルティックでも最近はここを定位置にゴールを積み重ねている。

三笘薫が怪我で不在とはいえ、中村敬斗が招集されたポジション。彼がスタメンだと予想する向きも強かったが、実際は前田が先発し、しかも試合でのプレーはアジアカップ後の成長を十分に感じさせるものだった。

以前の前田は左サイドでもエリアに近いハーフスペースでのパターン化された仕掛けが目立っていた。

しかし最近はプレーのレパートリーが増え、よりライン際の位置でボールを持つことも苦にしなくなっている。

もちろん、世界屈指と言えるチェイシングやプレスバックも健在。「NEW前田大然」として進化の途上にある26歳は、再び日本代表でも重要な役割を担っていきそうだ。

長友佑都

日本代表、北朝鮮との3月シリーズで「株を上げた」3名の選手
日本代表、北朝鮮との3月シリーズで「株を上げた」3名の選手

3人目は長友佑都。37歳になった日本歴代屈指のサイドバックは、カタールワールドカップ以来となる驚きの代表復帰を果たした。

アウェイ平壌対策として森保一監督が必要性を感じた面もあったことだろう。

ただ、所属のFC東京で今季も開幕から4試合連続先発出場。北朝鮮戦に向けて長友の顔が思い浮かんだ時、実際に招集するための“説得力”としてクラブで出場機会を掴んでいることは大きかったはずだ。それはやはり彼の力だと言える。

また、板倉滉が先日ABEMAの番組で「うまくいかなかった時にどうやってもう一回盛り返していくのか、誰がチームを立て直すのか、誰がそのきっかけとなるのか、というところが全然足りなかった」と語ったように、アジアカップで敗者となった日本代表にとって足りない部分を埋めていく作業は重要だ。

今回、長友が再び加わったことでチームにもたらされた活気や雰囲気を多くの選手たちが感じ取れたことは、今後に向けてプラスとなるに違いない。