Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。

サッカー界ならではの素晴らしい制度、連帯貢献金

7月5日、日本代表FW古橋亨梧が、イングランドEFLチャンピオンシップに復帰したバーミンガム・シティFCに移籍。

イギリスメディア『スカイ』での報道によれば、バーミンガムからフランスのレンヌへ最大1,000万ポンド(約20億円)の移籍金が支払われるという。

過去、2021年にヴィッセル神戸からセルティックへ移籍した際に神戸へ支払われた移籍金は5~7億円と報道され、今年1月のセルティックからレンヌへの移籍金は約19億5,000万円と報道され、またも古橋は高額移籍金で移籍することとなった。

その際、国内サッカーファンとして気になる点は、連帯貢献金がいくら支払われるのか、というポイントだ。

連帯貢献金は、FIFAの規約に基づく国際ルールであり、満12歳から23歳までに所属した全てのクラブに対して移籍金に応じた金額を分配するもの。古橋の場合、23歳まで在籍していたFC岐阜、中央大学、興國高校等に連帯貢献金が支払われる。

実際にいくら受け取るのか、最大の金額は以下の通りである。※1ポンド198円で計算

・アスペガス生駒FC(0.75%)1,485万円
・興國高校(1.5%)2,970万円
・中央大学(2.0%)3,960万円
・FC岐阜(0.5%) 990万円

《内訳》

2007年 アスペガス生駒FC 13歳 0.25% 495万
2008年 アスペガス生駒FC 14歳 0.25% 495万
2009年 アスペガス生駒FC 15歳 0.25% 495万

2010年 興國高校 16歳 0.5% 990万
2011年 興國高校 17歳 0.5% 990万
2012年 興國高校 18歳 0.5% 990万

2013年 中央大学 19歳 0.5% 990万
2014年 中央大学 20歳 0.5% 990万
2015年 中央大学 21歳 0.5% 990万
2016年 中央大学 22歳 0.5% 990万

2017年 FC岐阜 23歳 0.5% 990万

つまり、国内のクラブ、学校法人へトータル約1億円が支払われる

なお、2021年に神戸からセルティックに移籍した際、移籍金は5~7億円と報道されたが、仮に最高額の7億円として計算した場合の連帯貢献金は以下の通りである。

・アスペガス生駒FC(0.75%)525万円
・興國高校(1.5%)1,050万円
・中央大学(2.0%)1,400万円
・FC岐阜(0.5%) 350万円

また、前回のセルティックからレンヌへの移籍金は約19億5,000万円と報道されたので、その時の連帯貢献金は以下の通りである。

・アスペガス生駒FC(0.75%)1,460万円
・興國高校(1.5%)2,925万円
・中央大学(2.0%)3,900万円
・FC岐阜(0.5%) 975万円

国内クラブ、学校法人へ「トータル2億円超」の連帯貢献金

古橋を育てたことにより、3度の移籍に伴いトータルでアスペガス生駒FCは約3,500万円、興國高校は約7,000万円、中央大学は約9,000万円、FC岐阜は2,300万円を手にすることとなる。

古橋は古巣へ大きな大きな、本当に大きな恩恵を授けた。

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