2024年12月17日、華字メディアの日本華僑報網は、比亜迪(BYD)など電気自動車(EV)中心の中国車メーカーが好調な自動車市場にあって、ホンダ、トヨタなどの日本車メーカーの戦略について考察を加えた記事を公開した。
記事は初めに「かつて日本車メーカー各社は欧州のブランドと肩を並べ、中国市場に深い印象を残した。
次に「広州の街中を歩くと、比亜迪(BYD)の店舗が新時代の灯台のように若い世帯の注目を集めている。良心的な価格、継続可能な走行距離が長いプラグインハイブリッドのEV車は、交通分野におけるSDGs(持続可能な開発目標、sustainable development goals)の実践にもなり、さまざまな数値の向こうに未来の生活への無限の憧れを抱かせる」一方で、「広汽ホンダの代理店は落ち着いた雰囲気ではあるが、顧客層の高齢化とハイエンドモデル販売の苦境により、潜在的な焦りを見せているのは疑いようがない」と指摘した。
続いて「このような大変革の背後には、新エネ車産業への中国政府の強力なサポートと、BYDやシャオミのような国内企業の台頭の速さがある。技術を矛とし、コストパフォーマンスを盾に、それまでの市場の局面を打破しただけでなく、スマート化、個性化の道をはるか先へと進んでいった。スマートフォンを車のキーにしたり、座席をマッサージチェアにしたりなどの僅かな革新が、未来の交通様式への探索と再構築となった」と論じた上で、「このような状況に、日本車メーカーは正面からの挑戦を選んだ。トヨタ、ホンダ、日産などはニューモデルのEVの開発と研究を加速させた。この市場戦争ではイノベーションと市場と消費者のニーズに合わせることが生き残る唯一の道であると彼らはわかっているからだ。トヨタが良心的な価格とSUV市場の局面を打破せんと公表した新しいEVは、電気自動車の時代であっても、トヨタが依然として市場に対する鋭敏な感覚とリスペクトを有していることを世界に宣言しているようだ。ホンダもだまってはいない。新型モデルは中国の消費者の美的センスに沿ったデザインになっているだけでなく、細かい点にも工夫を凝らし、運転する度に個性的なドライブの旅を体験できるようになっている。これは技術の、イノベーションの、市場洞察力の腕比べだ。
記事は最後に「変化の速い時代に参画した誰もが自分のやり方で歴史を刻んでいる。日本車メーカーにとっては、中国市場は挑戦の場であり、チャンスの場でもあり、イノベーション力と市場適応性をチェックする最良の舞台でもある。結果がどうであれ、この腕比べは自動車業界全体をより環境にやさしく、よりスマートに、より人間的な方向へと推進していくだろう」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)