2025年5月10日、極目新聞は、遼寧省大連市にある西山ダムでエジプト原産の外来種ナマズ「アフリカンクララ」が見つかり、生態系への影響が懸念されることを報じた。
記事は、大連市の西山ダムで6日に、散歩中の市民・王(ワン)さんが鱗のない黒い大型魚の群れを発見し、長さ50センチ以上、重さ3キロほどの個体を捕獲したと紹介。同市にある大連自然博物館の学芸員である李宏竜(リー・ホンロン)さんが10日、アフリカンクララであることを確認するとともに、人為的な放流によるものと推測したことを伝えた。
記事によると、アフリカンクララは1980年代に中国に入り、広く養殖が行われてきた。雑食性で魚類や昆虫など餌の種類が多い、皮膚呼吸により低酸素の水中でも生活できる、生存可能な水温が7~38度と環境適応性が非常に強い。ただ、冬に氷点下まで下がる大連地方の水温では自然越冬が難しいことから、人為的な放流の可能性が高いとみられる。
ただ、環境適応性が高く、雑食性であるがゆえに、在来種の生存環境を脅かすことになる上、大量の水生生物を捕食して水域生態系のバランスを破壊することが懸念されており、水温が比較的高い中国南部の水域では実際に養殖からの逸脱や人為的な放流による個体が繁殖して野外個体群を確立しているという。
記事は、2023年に江蘇省常州市の長蕩湖にアフリカンクララなど外来種約12.5トンを無許可で放流して在来種のナマズを死なせ、生態系を脅かしたとして、当事者の女性が5万8000元の損害賠償支払いを命じる民事訴訟判決を受けた事例を紹介するとともに、外来種の放流行為で深刻な生態系破壊を引き起こした場合、刑法の規定で3年以下の懲役、または罰金が科される可能性もあることを指摘した。
大連市野生動植物保護協会の谷国強(グー・グオチアン)副会長によると、同市ではここ数年無許可の放流事案がしばしば発生し、放流した生物の生存リスクとともに、生態系バランスも脅かされているという。(編集・翻訳/川尻)
— 中国動画 (@RC00547555) May 11, 2025