中国メディアの極目新聞は16日、中国・陝西省西安市の焼肉店が残飯バケツから拾った肉を再び客に提供しようとしたとされる問題に関する評論記事を掲載した。

記事によると、先日、中国のSNSに「市内の焼肉店で食事をした際、店員が残飯バケツから肉を拾って再び客に提供しようとしていた」との動画が投稿され、物議を醸した。この件を調査した現地の市場監督管理局は、「完全な映像を回収した。店員は拾い上げた肉を串に刺し、その場に置いたが、1分もしないうちにそれらをごみ箱に捨てた。提供された事実は確認されていない」としたが、同店に対して営業停止処分を下した。

記事は、「これらの肉が客に提供されていなかったということで、ほっとした人も多いだろうが、なぜ提供されなかったのか。店員が一度拾った肉をやはり廃棄したのは良心の呵責(かしゃく)からだったのだろうか」と問い掛けた。

その上で、「ネット上の動画には、店員が残飯バケツから拾った肉を串に刺し直し、焼き台に置いて焼く様子が映っている。動画の一部はカットされているが、撮影者によると、これは撮影していることが店員に気付かれたからだという。つまり、店員は良心から肉を捨てたのではなく、世間にさらされることを恐れただけだったのだ」と指摘した。

また、「残飯バケツに入れられたものは食べられるはずがない。最終的に肉を破棄したという事実からも、店員がそれを理解していたことがうかがえる」と言及。事後に店側が投稿者と連絡を取り、謝罪動画を公開したものの、後にその謝罪動画が削除されたことに触れ、「当局の調査が入ったことで、もはや隠し切れなくなったため、『謝るふり』をやめたのではないか」と推測した。

記事は、「飲食業では何よりも良心が必要だ。もし最低限の良心すら持てないのであれば、飲食業など営むべきではない」と断じ、「営業停止で終わるのではなく、法に基づいた厳正な処罰がなされるべきだ。そうして初めて、消費者の食の安全が守られるのだ」と論じた。(翻訳・編集/北田)

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