2025年6月17日、台湾メディアCTWANTは昨年の台湾の死因トップ10で自殺が14年ぶりにランクインしたことを報じた。

記事は、台湾衛生福利部が16日に発表した昨年の死因トップ10を紹介。

1位はがんで、2位以下は心疾患、肺炎、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、事故、慢性下気道疾患、腎疾患と続き、自殺が10位に入ったと伝えた。

記事によると、昨年の自殺者は前年より164人増えて4062人となり、史上初めて4000人を突破。各年齢層の自殺者が全年齢に占める割合では45~64歳が34.6%(1405人)で最多となり、25~44歳の30.6%(1244人)、65歳以上の27.6%(1120人)が続いた。また、年齢層別の自殺率(10万人当たりの自殺者数)では65歳以上が25.5人で最も多く、45~64歳が19.5人、25~44歳が18.5人、0~24歳が5.8人だった。

台湾自殺予防学会の呂淑貞(リュー・シュウジェン)理事長は高齢者の自殺について、孤独感や生きる価値観を見いだせないことが大きな要因となっており、子どもが近くにいない、長期間病気に苛まれている、家族に迷惑をかけている、老老介護に疲れたといったことに加え、詐欺の横行で財産を失うケースが少なくないことも自殺増につながっているとの見方を示した。

さらに、データでは15~24歳と25~44歳の年齢層では自殺が死因の2位だったことも明らかになった。呂氏は15歳から24歳の若年層、特に学生や社会に出たばかりの人は組織内での人間関係や恋愛、経済面、生活環境の変動といった影響を受けやすいと指摘したほか、「多くの若者がネット上での交流やゲームへの没頭を通じて現実から離れ、人間関係のサポートを失っている」とし、インターネットの普及も若年層の自殺を助長する要素の一つに挙げた。このほか、家庭内暴力の被害者の自殺率も高くなっていることに言及した。(編集・翻訳/川尻)

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