2025年8月3日、韓国メディア・毎日経済は「サムスン電子とLG電子が日立製作所の家電部門の買収に乗り出した」と伝えた。サムスンは07年に日本家電市場から撤退しており、18年を経ての再挑戦。
投資銀行業界によると、日立製作所は日本国内の白物家電事業を担う日立グローバルライフソリューションズ(GLS)の売却に向けて動いている。既に1次入札作が行われており、最終的な落札者の決定は12月になる予定だという。1次入札には韓国の家電ツートップ、サムスン電子とLG電子を含め、トルコのアルチェリク、中国メーカーなど7~8社が参加したと伝えられた。
日立GLSは冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど白物家電を販売。24年度は売上高3676億円、営業利益392億円と堅調だった。従業員は約5100人。売却価格は1兆ウォン台後半~2兆ウォン(約1500億~2000億円)と見込まれる。
特に強い関心を湿しているのがサムスン電子だという。ここ4~5年、日本の家電市場への再進出を検討していたが、複雑な流通構造、保守的な消費者、ブランド認知度の低さなどから容易に結論を出せずに来たという。また、李在鎔(イ・ジェヨン)会長は家電からインフラ企業へと変革した日立を評価し、系列会社のトップらを率いて日立の中央研究所を訪れるなど、両社には深い結び付きがあると、記事は評価している。
一方、日本で家電事業を拡大しているLG電子にとっても日立GLSは「魅力的な物件」だという。
また記事は、「韓国の電子メーカーが積極的に日本の家電メーカー買収を目指していることは、両国が新たな産業協力関係に向け一歩進んだことを意味する」と評価。かつて日本は韓国の猛追撃をけん制し、韓国を協力相手ではなく競争相手と認識していたが、今は両国ともに成長が鈍化するなかで中国が猛烈に追い上げており、日韓は協力関係に変わりつつある雰囲気だと指摘している。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「久しぶりに気分のいいニュース」「韓国はこれほどの逆転を遂げたんだな」「日本の物をパクって作ってきた韓国が。隔世の感がある」「これぞ克日」という喜びの声や、「日本人は国産品ばかり使うから、日本の会社を買収して日本市場に進出するのが有利だね」「中国より日本と手を結ぶほうが得になる」「中国に委託生産を任せると品質低下という問題がある。日本メーカーと協力すれば、技術や品質、徹底した委託生産管理のノウハウが習得できるという利点がある」などの意見が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)