仏RFIの中国語版サイトは12日、中国について「電気自動車(EV)市場の勝ち抜き戦がすでに始まっている」とする仏ル・モンドの記事を紹介した。
記事はまず、中国EV大手の比亜迪(BYD)について、株価が香港証券取引所で5月のピーク時から30.2%下落し、深セン証券取引所でも同時期に49%下落したこと、2022年以降、純粋な内燃機関車を生産していないBYDは、5月から中国市場での販売が鈍化していて、中国市場でEVとハイブリッド車の成長が鈍化する中、BYDの7月の販売は6月比10%減となったことを紹介した。
その上で、BYDは中国のEV市場において依然としてリーダー的存在であるものの、その地位は徐々に低下しているとし、BYDの市場シェアは1年前の35.4%から27.8%に低下したこと、中国市場の減速により、25年までに国内外合わせて550万台を販売するというBYDの目標はほぼ達成不可能となった結果、値下げを余儀なくされ、5月には22モデルを対象に期間限定の値下げを実施し、値引き率は最大で34%にも上り、業界他社を震撼させたことに触れた。
記事は「中国ではEV市場の勝ち抜き戦がすでに始まっている」とし、「小規模なEVメーカーは市場から淘汰され、かつて300社余りあった新エネルギー車メーカーは半減した。専門家は、中国の新エネ車メーカーは5~10社程度しか生き残れないと予測している。習近平(シー・ジンピン)国家主席も過剰で不条理な内部競争を指す『内巻』をやめて生産能力を最適化するよう号令を出した」と伝えた。
記事は「BYDの強みは技術面でのリードと垂直統合モデルにあるが、生産能力を吸収するには国際化が唯一の手段だ」とし、BYDは30年までに海外販売比率を全体の50%にする目標を掲げ、欧州で3番目の工場の建設を検討し、ハイブリッドモデルを通じて欧州連合(EU)のEV関税を回避しようとしていると伝えた。(翻訳・編集/柳川)