江西省に住む譚錦宸さんは最近、飼っているネコを連れて、雲南省をドライブ旅行した後、「雪山を見るのは生まれて初めて。癒しの旅だった。

ネコと私の絆も深まった」と感慨深げに語った。中国新聞網が伝えた。

中国では今、ペット対応可の場所が増え続けており、ペットを連れて、中国各地を旅行する人が増え続けている。

ペットを連れて旅行に行く場合、食事や宿泊、交通、アクティビティなど、関連する様々な場所でのことを考慮する必要がある。重慶市のペット宿泊可のあるホテルを取材したところ、ネコやイヌといった一般的なペットを飼っている人をターゲットにしており、宿泊客によって要望も異なることが分かった。例えば、イヌを飼っている人は屋外で活動できるスペースの有無やイヌを散歩させる場所の有無などを重視しているのに対して、ネコを飼っている人は静かな環境やペット預かりサービスの有無などを重視している。ホテルのスタッフによると、専門の清掃チームを立ち上げており、客が退室した後は、徹底的な消毒を行っているという。また、ペットが過ごすスペースと、他のエリアを分けることで、他の宿泊客に迷惑がかかることが無いように配慮されているという。

口コミサイト・大衆点評の最新データによると、「絶対に泊まってみたいホテルランキング」にランク入りしている「ペット宿泊可のホテル」100軒以上の7月の利用者が前月比約30%増となっている。中でも、河北省張家口市や貴州省安順市、山東省青島市、煙台市といった、夏休みシーズンに人気となる都市のランク入りしている「ペット宿泊可のホテル」の7月の利用者を見ると、前月比で100%超となっている。また、重慶市のランク入りしている「ペット宿泊可のホテル」の7月の利用者は前月比で約50%増となっている。

李旭東さんが重慶市で経営しているレトロスタイルをテーマにしたペット預かりサービスとペットホテルは、主にイヌを対象にサービスを提供している。

預かりサービス用の部屋は10室あり、外には1000平方メートル以上の芝生もあって、ペットがそこで遊ぶことできるようになっている。また、24時間体制で対応するスタッフが3人在籍しているほか、飼い主は24時間いつでも監視カメラでペットの状態をチェックすることができる。李さんによると、ペットホテルは連日「満室」で、予約が20日以上先まで詰まっていて、その利用者のほとんどが若者だという。
中国で増え続ける「ペット対応可」、ペットと一緒に旅行がトレンドに―中国メディア
重慶市のあるペット用レストランで、イヌにイヌ用メニューを食べさせる女性

重慶市のあるペット用レストランでは、イヌが本当のレストランのようなサービスを体験することができるようになっている。経営者の李勇さんによると、鶏肉や牛肉、野菜といった食材を毎日、農産物マーケットで仕入れ、ケーキや弁当などのスタイルで提供しているという。1週間平均30匹以上のペットが利用している。「ペットの飼い主の7割近くは若者。地元の人のほか、貴州省や陝西省西安市、北京市などから、ペットを連れて旅行に来た人も利用している」という。

交通機関を見ると、多くの航空会社がすでに、ペットと一緒に旅ができるサービスを提供している。そして、ペット向けサービスの面でもさまざまな試みが実施されている。例えば、重慶航空は7月から、「ペットと一緒に機内へ」というカスタマイズサービスを打ち出した。一定の条件を満たしている場合、旅客はペットを機内に持ち込むことができ、さらに、ペット用の特別座席のチケットを購入することができるため、ペットを飼っている人のニーズを満たすサービスとなっている。

中国観光研究院・長江観光研究拠点の首席専門家・羅兹柏氏は、「人々の生活水準が高まり、情緒面でのニーズが高度化するにつれて、ペットの役割が『付添人』から『家族の一員』へと変わっている。ペットが大好きな人の多くが、ペットに『質の高い暮らし』を提供しているほか、一緒に過ごすことができるさらに多くの空間を探し求めており、それに伴ってペット対応可の場所がさらに多様化している」と分析している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

編集部おすすめ