中国メディアの環球時報は28日、「韓国の造船企業は米海軍を窮地から救えるのか」とする記事を配信した。

記事が韓国・聯合ニュースの報道として伝えたところによると、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は26日、米ペンシルベニア州フィラデルフィアにある韓国のハンファグループの造船所を視察し、米国の国家安全保障多目的船(NSMV)の命名式に出席した。

李氏は命名式でのスピーチで、「韓国造船業は米国の海洋安全保障の強化、米国造船業の復興に貢献する」と表明。米韓の造船協力プロジェクトが両国の造船業の共同発展にウィンウィンの成果をもたらすことに自信を示した。

命名された船は主に、メーン海事大学の老朽化した訓練船の代替として用いられるという。

記事によると、ハンファグループのハンファオーシャンとハンファシステムは2024年に1億ドル(約147億円)を投資して同造船所を買収した。韓国企業による米国内の造船所買収はこれが初めてで、ハンファはここを基盤に米造船業復興の足場を築く計画だ。米海事局はハンファにNSMVを5隻発注しており、1隻当たりの建造費は3億ドル(約441億円)に上る。

記事はこうした状況を伝えた上で「米海軍の韓国造船業に対する期待は大きい」と記し、ロイター通信は26日に「トランプ米大統領を喜ばせるために韓国は苦境にある米造船業の振興に賭ける」と説明し、米造船業の持続的な衰退に言及したと紹介した。また、一方の韓国は現在、中国に次ぐ世界2位の造船大国であり、米中競争の背景の下、今年7月の米韓貿易交渉で韓国側が自発的に示した造船協力プロジェクトがトランプ氏を動かしたと記した。

記事はその理由として「米造船業の衰退はすでに米海軍の正常な運用に深刻な影響を与えているためだ」と記し、熟練工の不足やインフラの老朽化、サプライチェーンの不安定さといった要因によって米海軍の艦艇建造や維持能力は大きく損なわれていると説明。建造計画の遅れやメンテナンス待ちの「行列」ができている状況とともに、ハンファが米海軍の艦艇へのメンテナンスサービス提供が認められた最初の韓国企業であることを伝えた。

ただ、ロイターによると、専門家や業界関係者、韓国当局者は韓国が「米造船業を再び偉大に」を推進するにはまだ多くの課題があるとの見方を示しているという。

記事はさらに、中国の軍事専門家の石宏(シー・ホン)氏が「米国は技術の秘密保持の観点から大型で高感度な作戦艦艇の建造を他国企業に簡単に託さないだろう」と述べたことを伝えた。

作戦艦艇の重要部品は依然、米国の防衛産業企業に頼る必要があり、同盟国の造船企業が船体や部品を作ることができても米側の造船能力不足という構造的問題の緩和には「焼け石に水」で、「米造船業の病状はすぐに治るレベルではない」という。(翻訳・編集/野谷)

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