2025年9月1日、香港メディア・香港01は「どうして中国は抗日戦争を記念する必要があるのか」と題した評論記事を掲載した。

記事は、中国政府が3日に北京天安門広場で「中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利80周年記念大会」を開催し、活動のクライマックスとして軍事パレード開催することを紹介した上で、「平和な時代において、なぜ中国が抗日戦争の勝利80周年を記念するのか、多くの人が疑問に思うだろう」とした。

そして、大規模な記念イベントを開催する理由を3つ挙げて説明している。

まず、「歴史の教訓を心に刻み、先人たちの多大な犠牲を記憶し、正義と平和の理念を改めて示すため」とし、日本の中国侵略戦争は近代中国史における未曾有の大災害であると説明。ユダヤ人が第二次世界大戦の苦難を忘れないように、中国人も日本の侵略戦争がもたらした苦難を忘れず、その苦難を記念することが、正義と平和を守る理念の表明になると主張した。

次に、「抗日戦争が中国人の民族意識と愛国心を前例のないほどに刺激し、団結と自立自強を促したため」と説明。亡国の危機に瀕(ひん)してして初めて民族意識が覚醒し、古い文明国家が現代世界で新生を遂げるきっかけになったと説明した。また、平和の維持には強い実力が必要だという教訓のもとで、今や日本を上回る総合力を持つに至ったとし、このタイミングで戦争を記念することは、民族の独立と自立自強の意義を再確認することにつながると論じた。

さらに、「抗日戦争が世界反ファシズム戦争の重要な一部であり、中国が国連安保理の常任理事国となった歴史的根拠であるため」とし、中国が世界の平和維持に貢献する姿勢を示すためのイベントであると説明。同時に、日本について「侵略戦争に対する反省がドイツより少なく、歴史的責任を意図的に軽視、回避している」と指摘。この「不公平な現状」を是正し、歴史の真実を世界に広める上でも抗日戦争記念活動は有益との見方を示した。(編集・翻訳/川尻)

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