参院選敗北後も「続投」に意欲をみせていた石破茂首相(自民党総裁)が退陣を表明し、次期総裁レースが始まった。革新系の韓国紙は有力候補と目される高市早苗・前経済安全保障相と小泉進次郎農林水産相を名指し。

「極右首相の選出だけは防がなければならない」と主張した。

ハンギョレ新聞は社説で「穏健な『歴史認識』を持つ石破首相の突然の辞任は、韓国と日本両国の関係だけでなく、米国のドナルド・トランプ大統領の『暴走』に悩まされている国際社会全体の安定性を揺さぶることになりうる深刻な『悪材料』だ」と述べた。

続いて「日本で『極右首相』が選出されると、韓日および欧州連合(EU)、オーストラリアなどの友好国間での協力の余地が大幅に減り、中国との摩擦の可能性が高まる」と論評。「自民党は国際情勢を広く見渡すことのできる合理的かつ責任感のある人物を次期総裁に選出し、周辺国の懸念を和らげてほしい」と促した。

石破首相が辞任した背景については「自民党が現在のような危機に陥ることになったのは、7年8カ月間続いた『安倍一強政治』の弊害である政治資金問題や旧統一教会との癒着疑惑などによるものだった」と指摘。「そこで、党内の『少数派』だった石破首相が救援投手の役割を一手に引き受け、昨年10月に首相の座に就いた。選挙で相次いで敗北した後も、自身に有利な世論に賭けて首相を続投する意志を曲げなかったが、結局、旧安倍派などからの圧力に耐えきれなかった」と分析した。

社説は「現時点で次期首相として取り沙汰されているのは高市、小泉両氏らだ」と列挙。特に高市氏に関しては「『歴史修正主義者』と批判された安倍晋三元首相よりさらに極右的だと評される人物だ」として、「『謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない』という文言がある安倍談話(2015年)に『侵略』という語が含まれていることを理由に、安倍元首相を訪ねて強く抗議したという逸話がある」と紹介して強い警戒感をのぞかせた。

小泉農水相の場合は「在任中に靖国神社を何度も参拝した父親の小泉純一郎元首相のように、先月の韓国訪問直後に靖国神社を参拝し、大きな失望感を与えた」と非難。「日本が再び歴史対立を引き起こすことになると、韓国と日本の協力は難しくなり、中国を刺激して東アジア情勢も不安定になる。日本の国益のためにも、『極右首相』の選出だけは防がなければならない」と強調し、「内政干渉」まがいの論陣を張った。

(編集/日向)

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