2025年9月12日、環球時報は戦勝80周年記念軍事パレードに出席した鳩山由紀夫元首相の態度を「日本の共通認識とすべきだ」と主張する評論記事を掲載した。

記事は、石破茂首相の辞任意向表明に伴い、日本の右翼勢力による政界支配への懸念が強まるとした上で、鳩山氏が3日に中国での戦勝80周年軍事パレードに出席し、日本の侵略の歴史を反省する趣旨の発言をしたことに対して日本の右翼勢力が猛烈な批判を展開していると紹介。

現在の日本社会で歴史修正主義が蔓延し、歴史虚無主義がまかり通っているという事実を反映するものだとし、歴史的正義に対する深刻な挑発だと論じた。

そして、日本の右翼勢力が歴史修正主義を大々的に宣伝する目的として、歴史の風化や否定によって自らのイメージを美化すること、国内の政治課題と結びつけ、社会の矛盾から目を逸らさせること、第2次大戦後の国際秩序の束縛から逃れ、日本の地政学的戦略の突破口を開くことの3点を挙げた。

また、歴史修正主義がもたらす危害として、第二次大戦後の国際秩序に関する歴史認識と正義についての国際的なコンセンサスを損なうこと、東アジアやアジア太平洋地域の地政学的緊張の激化、軍国主義思想の復活の助長による地域の安全保障上のリスクを列挙した。

一方で、「誤った歴史言説が蔓延する現在の日本において、鳩山氏の発言は一層貴重だ」と鳩山氏を称賛。その反省の姿勢は日本の歴史に対する責任感の表れであり、日本国内における歴史認識のモデルとなるとともに、日本人に歴史の真相を知る必要性を訴えるものだと評した。

記事は、日本がアジア近隣諸国の真の信頼を得て、日中関係を発展させるには歴史認識を徹底的に改める必要があると主張。先日、中国政府が石平参議院議員に制裁を加えたことを「日本の右翼勢力に対する最も厳しい警告」とした。そして、鳩山氏のように深く歴史の教訓をくみ取り、正義を守ることでのみ、真の日中間の歴史問題における和解が実現し、地域の恒久平和の礎を築くことができるのだと締めくくった。(編集・翻訳/川尻)

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