日本人の坂口志文・大阪大特任教授(74)が2025年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれたことに、中国のネット上でも関心が寄せられている。
6日、スウェーデンのカロリンスカ研究所は今年のノーベル生理学・医学賞を、米システム生物学研究所のメアリー・ブランコウ博士、米バイオ企業ソノマ・バイオセラピューティクスのフレデリック・ラムズデル博士、そして坂口氏の3人に贈ると発表した。
受賞理由は「末梢性免疫寛容に関する発見」。坂口氏は1995年に免疫細胞の活動を制御する制御性T細胞を発見、ブランコウ氏らは坂口氏の発見を基に免疫の維持に不可欠なFoxp3という遺伝子を発見した。
日本のノーベル賞受賞は、昨年の日本原水爆被害者団体協議会(平和賞)に続き2年連続。生理学・医学賞では2018年の本庶佑氏以来、7年ぶり6人目。日本出身の個人としてのノーベル賞受賞は30人目(外国籍も含む)となった。
坂口氏らの受賞は中国のSNS上でも話題になっている。微博(ウェイボー)で420万超のフォロワーを持つブロガーは、日本政府が2001年に「50年で30人受賞」を目標に掲げたことを念頭に、「(今年の)ノーベル生理学・医学賞は3人に。その中に日本人がいる。日本は本当に毎年のように受賞者を出している!」と感嘆した。
また、フォロワー230万のブロガーは「2001年当時、中国語メディアは『日本政府は狂言(常軌を逸したこと)を吐いている』と伝え、ニュースを見た多くの人は『狂っている』と思った。でも…」と記し、坂口氏らの受賞が決まった画像をアップした。
中国のネットユーザーからは「日本はやっぱりすごい」「これは制度、文化、教育、経済の総合力があってこそなしえる成果」「どうやら(日本は)目標を達成しそうだ」「ちょっと悔しいな」「日本はサッカーでも50年までのワールドカップ(W杯)優勝を掲げている」「日本の女子はもうW杯優勝したけどね」「われわれにこんな『狂ったこと』を言う勇気はあるだろうか」「日本って30年を失っていたんじゃなかったのか?」「私たちがこの分野で歩まないといけない道はまだ長いな」など驚きや感嘆、悔しさが混じった声が上がった。
一方で、「ノーベル賞は外国人の評価に過ぎない」「ノーベル賞は西側の政治の道具。もう興味を失った」「もしわれわれの中医学者がこの『茶番』に甘んじて関わっていれば、処方せんを一つや二つ出すだけですぐに受賞できる」などと書き込むユーザーも見られた。(翻訳・編集/北田)