中国の大学生の李匯哲さんはロックバンド・五月天(メイデイ)が北京で開いたコンサートに行った際、リュックサックをLABUBU(ラブブ)の縫いぐるみとメイデイの公式マスコット「卜卜」の縫いぐるみで飾った。李さんのようなファンは珍しくない。
北京で仕事をしている張婷さんは、バッグチャームを20種類以上持っているといい、どの縫いぐるみも自分の気持ちを表現しているほか、コーディネートの一部にもなっているという。
今の若者のリュックサックには定価数十元の人気芸能人のグッズやファンサイトが打ち出している応援グッズ、さらにはECプラットフォームのデザイナーや実店舗が打ち出したグッズなど多種多様な商品が飾られており、その価格は数十元(数百円)から100元(約2000円)以上までまちまちだ。

こうしたトレンドはソーシャルメディアやECプラットフォームでも注目を集めている。中国のソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」を見ると、「何でもリュックに飾ることができる」関連の話題の閲覧数が累計で8689万回に達し、55万3000人がコメントを寄せている。ネットユーザーは自分のお気に入りの飾りの画像をアップし、見る人の購買意欲を刺激している。また、リユース品売買アプリ「得物」が提供しているデータによると、9月のキーワード「キーホルダー」の検索回数が前年同期比140%増、注文数が同127%増に達し、目に見えて上昇した。
中国で以前、さまざまなブランドが業界の垣根を越えてコーヒー業界に参入した時のように、今では小さな縫いぐるみチャームが業界の垣根を越え、コラボ商品として縫いぐるみチャームを打ち出すというのがトレンドとなっている。
国家図書館のショッピングサイト・淘宝の旗艦店のスタッフは、「店内の文化的属性が鮮明な縫いぐるみチャーム数種類が特に人気となっている。『合格祈願』の思いが込められた純金の文昌平安符キーホルダーや、多くの書物を広く読もうという思いを込めて本と筆がデザインされたふんわり起毛の縫いぐるみ、中秋節(旧暦8月15日、今年は10月6日)に合わせて打ち出された匂い袋にもなっているウサギと月がデザインされた縫いぐるみチャームなどが最近、販売数上位を占め続けてる」と説明した。
かつて「魯迅コーヒー」で大きな注目を集めた人民文学出版社は今年、再び魯迅の作品にインスピレーションを得た縫いぐるみチャームシリーズを打ち出した。
ブームを巻き起こしている縫いぐるみチャームは、単なる飾りではなく、若者のエモ消費やサークル内での自己肯定感に対する非常に高いニーズを反映している。FutureMarketingが発表した「エモ消費の台頭:2025年市場構造と未来の行方」によると、2013年以降、「エモ消費」関連産業の複合年間成長率(CAGR)が12%に達し、今年、中国市場におけるその規模は2兆元(約40兆円)の大台を超えると見込まれている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)