北京大学地球空間科学学院が10月18日に発表した情報によると、同学院の研究チームはこのほど、「中国天眼」(500メートル口径球面電波望遠鏡「FAST」)を利用して、恒星の黒点周辺の磁場に由来する新たなミリ秒単位の高速電波バーストを観測しました。これは人類の太陽系外の恒星の小規模磁場に関する認識の空白を埋めるもので、太陽系外の宇宙天気の研究を進める上で重要な意義があります。

これに関する研究成果はこのほど、米国科学振興協会(AAAS)が発行する国際科学誌「サイエンス・アドバンス」に掲載されました。

紹介によると、M型恒星など一部の活発な恒星の磁気活動は太陽よりも激しく、かつ頻繁に発生するため、近隣惑星の居住可能性に大きな影響を与えるということです。しかし、ゼーマン・ドップラーイメージング(磁場とドップラー効果を組み合わせて、主に天体やプラズマの動きを可視化する技術)のような従来の恒星磁場の測定方法では、基本的に恒星全体の磁場情報しか得られず、これまでは恒星の黒点の小規模磁場の構造を識別することはできませんでした。

「中国天眼」による高感度の電波観測は、黒点の探査と研究に新たな光学的かつ補完的な手段を提供しています。研究チームは恒星の黒点上方の局地的な磁場構造が発する電波信号を検出して黒点の規模を推定できるほか、その上にあるコロナ磁場の強さや構造など、恒星の黒点の性質を正確に描くことを可能にします。これにより恒星の磁気活動およびそれが引き起こす太陽系外の宇宙天気に対する人類の理解をいっそう広げ、居住可能な系外惑星の探索に重要な示唆を与えるものとみられています。(提供/CRI)

編集部おすすめ