安徽師範大学は10月19日、同大学の学長を務める熊宇傑教授と共同研究チームがレーザー照射による効果を利用して、サブナノメートル級の高エントロピー合金の創製に成功したと発表しました。この方法は汎用(はんよう)性が高く、最大10種類の金属元素を含むサブナノメートル級の高エントロピー合金を合成できます。

これに関する研究成果はこのほど、『ネイチャー マテリアルズ(Nature Materials)』誌に掲載されました。

5種類以上の異なる金属を「融合」させて構造が均一な新型合金、すなわち「高エントロピー合金」を作り出すことは、これまで科学的に極めて困難な課題とされてきました。

研究チームは革新的なレーザー照射技術を用い、高温・高圧・強酸・強アルカリなどの極端な条件を使わず、比較的穏やかな環境下で複数の金属を均一に混合し、サブナノメートル級の高エントロピー合金粒子を製造することに成功しました。ナノ秒パルスレーザーは粒子表面温度を極めて短時間で2000度以上にまで急上昇させた後、毎秒10億度以上の速さで冷却することができます。この急加熱・急冷却のプロセスにより、従来の合成法の限界を突破し、異なる金属元素の均一分散と合金化を可能にしただけでなく、粒子サイズの微細化も可能となりました。(提供/CRI)

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