2025年10月20日、中国メディアの澎湃新聞は、中国各地の小・中・高校で11月に5連休を設ける動きが見られ、旅行予約が活況を呈していることを報じた。

記事は、浙江省の寧波市や嘉興市、広東省仏山市などでは11月12~14日を秋休みとし、週末と合わせて5連休を設定しており、他の地域も同様の形で5連休を作る動きが見られると紹介した。

そして、秋休み期間の発表を受けて各地の旅行会社が親子向け旅行商品の企画を急ピッチで進めているとし、ある旅行会社では「教科書をたどる旅」と題したテーマ別旅行商品をリリースしたほか、学校や団体向けの研修旅行コースの提供を開始したと伝えている。

また、オンライン旅行予約プラットフォーム同程旅行のデータによると、11月12~16日に出発する航空便の予約数が前年同時期に比べて大きく増加しており、北京や成都、上海、西安などが人気目的地になっていると紹介。オンライン旅行予約プラットフォーム・去哪児旅行のデータでは、同期間の寧波(浙江省)発の航空券予約数は前年同期比2.18倍、仏山(広東省)発は2.76倍に達しており、歴史的な古都や文化的な背景を持つ都市が教育旅行先として特に人気が高いと報じた。

その上で、小・中・高校における春休み・秋休み制度の段階的な推進について、旅行業界関係者から「国内旅行市場に新たな活力を注入する契機になる」との声が出ていると言及。特に11月は観光の閑散期に当たり、航空券や宿泊費が国慶節期間と比較して3割以上安くなるほか、紅葉シーズンとも重なるため、地域の特色を活かした多様な旅行体験が提供可能であると伝えた。

記事は、親子旅行がビジネス旅行の減少を補完する重要な要素になり、子ども1人分の航空券が大人1~2人分の消費を促進すると試算されていることを伝えた。また、旅行会社の担当者からは、春休み・秋休みを設ける動きが文化観光産業と教育ニーズのより深い結合を促し、将来的には教育的価値と実践性を兼ね備えた専門的な研修旅行や親子向け商品の需要が持続的に高まるとの声が聞かれたとした。(編集・翻訳/川尻)

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