2025年10月22日、香港メディア・香港01は、高市早苗首相の対中強硬姿勢について金燦栄(ジン・ツァンロン)中国人民大学国際関係学院教授が中国メディア・観察者網に寄稿した評論を紹介した。

記事によると、金氏は「高市早苗氏はよく考えるべきだ、中国に強硬姿勢でどこまで行けるか」と題した文章を発表。

金氏はまず、高市首相が「日本の極右政治家」であるとし、憲法第9条の改正、自衛隊の「国防軍」への改称主張や靖国神社への参拝堅持、南京大虐殺の否定、日本の中国侵略を「自衛戦争」とする主張、尖閣諸島台湾問題における強硬姿勢、「中国に対して譲歩せず」「台湾有事は日本有事」といった主張などを右翼的な要素として挙げた。

また、与党・自民党と連立を組んで高市首相誕生を後押しした日本維新の会も同様に右翼政党であり、「右右結合」の政権成立によって今後の対中政策はこれまでの政権よりもさらに過激になる可能性が高いと分析している。

一方で、高市氏の首相就任が現在の日中関係おいては「小さな変数」に過ぎず、甚大な衝撃を与えることはないとの予測を示し、その理由として「日中両国の国力比較が根本的に変化した」ことに言及。かつてとは異なり、中国の国力は今や日本をはるかに上回っているのだから、中国は日本の政局変化に対して一喜一憂することなく冷静に観察し、戦略的な一貫性を保っていれば問題ないとの見解を示した。

さらに、台湾問題の進展に関する主導権を中国本土がますます握っており、台湾内部の勢力や米国、日本によって情勢が左右されることはないとも主張。中国は、米国による台湾海峡への介入を阻止する決意、自信、能力を有しており、米国に能力で劣る日本による介入についても「当然ながら阻止する自信がある」とした。

金氏は、「もし高市氏が不適切な言論をかたくなに発表し、刺激するとしても、われわれはその誤った態度を変えることを強要する必要はない。中国の総合的な国力が日本に対して圧倒的な優位を築くことで、『武徳をもって人を服従させる』べきだ」とした上で、中国の強大な実力の前に、高市氏が大きな波風を立てることはできないとの考えを示した。(編集・翻訳/川尻)

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