ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)はよく見られる胃疾患の多くと密接に関連しており、世界的に注目される公衆衛生の難題です。中国ではこのほど、この難題を解決する鍵が見つかりました。

北京大学第三医院消化器科の周麗雅・宋志強教授チームは、全国40の医療機関の消化器疾患診療センターを率いて研究を進めてきた結果、Rifasutenizol(リファステニゾール、別名TNP-2198mm、リファマイシン系+ニトロイミダゾール系のハイブリッド抗菌薬)を取り入れた薬品3剤の同時服用治療プランを打ち出しました。これにより、ピロリ菌治療がより簡便な薬品3剤の同時服用治療プランの時代に回帰する可能性が示され、世界中の感染者に新たな治療の選択肢をもたらすことが見込まれています。関連する研究成果はこのほど、英医学誌「ランセット・インフェクシャス・ディジーズ」オンライン版に掲載されました。

周教授によると、この研究は世界初の第3相臨床試験(Phase III)を通じて実施され、今回提案された治療法は、現在臨床で常用されているビスマスを入れた4剤同時服用治療法と比べ、ピロリ菌を根絶する上で成功率がいっそう高く、副作用の発生率がより低いことが検証されたとのことです。薬剤の数が減り服用が楽になることで、臨床での根絶治療に新たな除菌手段を提供するとみられています。

宋教授は「中国でピロリ菌の治療に関する抗生物質の選択は多くの困難を抱えているが、この研究はこうした難題を解決できる上、ピロリ菌の除菌効果を大いに高める」と述べました。(提供/CRI)

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