中国のネットに次の笑い話がある。
山東省出身の人に質問をする。
問:「山東省では結婚の時に必ず食べる食べ物はな~に?」
答:「餃子!」
問:「誕生日の時は?」
答:「餃子!」
問:「入学の時は?」
答:「餃子!」
問:「卒業の時は?」
答:「餃子!」
問:「旧正月は?」
答:「餃子!」
問:「十五夜の時は?」
答:「餃子!」
問:「春分の時は?」
答:「餃子!」
問:「毎日餃子じゃないか!」
実は、これは単なる笑い話ではなく、事実だ!山東省の人たちは人生の「大事件」(結婚、入学など)から日常生活まで、年の半分ぐらい、餃子を食べている!山東省は中国の華北地方に位置する省級(県レベル)行政区で、北は渤海、東・南は黄海に面し、黄河の下流に位置している。三面も海に囲まれていることから「山東半島」とも呼ばれている。山東半島は北緯38度線に位置し、四季がはっきりしていて、物産がとても豊かである。しかし、ここは水田があまりないため、農作物は主に小麦、落花生、トウモロコシ、サツマイモなどだ。地元の人々は小麦粉を使ってさまざまな料理――蒸しパン、蒸し餃子、水餃子、手打ちうどんなどを作る。
日本では焼き餃子がよく知られているが、山東省では水餃子をよく食べる。しかし最近、蒸し餃子が人気を得ている。餃子を焼く時、まずは油を引かなければならない。それで、どうしても油っぽくなり、健康的なライフスタイルを追求する現代人には不向きである。水餃子の場合は、餃子をお湯の中でゆでる間、風味が失われてしまう。蒸し餃子は水餃子よりやや大きめに作り、蒸して食べることで、素材本来の味が保たれ、引く油も要らずに済んで、健康にも負担がない。
実は、山東省沿岸部(青島、煙台、威海)で蒸し餃子にはもう一つの名前がある。
山東省の人たちの蒸し餃子を食べる感覚は日本人が巻きずしを食べる感覚と似ているかもしれない。巻きずしが好きな素材を何でも巻いて食べるのと似ていて、蒸し餃子は好きな素材なら何でも包んで蒸す。
山東省威海市で発祥し青島市までチェーン店を置く「山後・海菜包子」を例とする。「山後」はブランド名で、「海菜」は「海藻」であり、「包子」は蒸し餃子の中国語の正式な名前である。元来、このチェーン店の看板メニューは「ケイギス」「アオサ」といった海藻を使って作る蒸し餃子である。海藻以外、さまざまな海鮮――エビやタコやサバなどを使っている蒸し餃子もある。「半島」という地理的優越性(海に近い)が現れている。
例えば、ハクサイは角切り豚肉、干しエビと合う。ニラは炒めた卵、刻んだキクラゲとブレンドする。セロリは牛肉ミンチと味が合う。中でもダイコンのみじん切りと揚げた豚の脂身というコンビの蒸し餃子は人気がある。カリカリになるまで揚げた豚の脂身は油分は十分出され、香ばしさだけが残っている。ビタミン豊富なダイコンと揚げた豚の脂身は口の中で仲良くなり、後味が尽きない。
山東省の人々は昔から地元で採れた素材を使ってさまざまな食べ物を作ってきた。蒸し餃子(角児)は最も庶民的、シンプルな食べ物の一つである。飛躍的な経済発展を遂げた現代中国は、諸外国との交流も盛んに行っているおかげで、東洋・西洋の食べ物があふれている。











