2025年10月8日、中国のポータルサイト・捜狐に「今年最も話題になった日本アニメ」として、劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来を評価した記事が掲載された。
記事はまず、「今年最も話題になった日本アニメといえば、間違いなく劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来である。
続けて、「しかし今、真に人気を保っているのは『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』くらいであり、新たな有力作品の多くは勢いを維持できていない。さらに『呪術廻戦』でさえも、作者・芥見下々氏の奇抜な展開が物議を醸し、やや人気が落ち込んでいる。結果として、真に安定して支持を得ている新世代作品は『鬼滅の刃』だけである。少なくとも物語構成が安定しており、最終章でも破綻せず、テレビアニメと劇場版の映像化の進行も非常に整然としている。関連グッズも大ヒットし、昨年開催された『柱展』には転売屋まで押し寄せていた」とした。
その上で、「特筆すべきは、テレビアニメと劇場版の連携構成である。 かつての『名探偵コナン』や『ONE PIECE』では、テレビアニメが本編、劇場版は番外編やオリジナルストーリーを描いていた。しかし『鬼滅の刃』は、テレビアニメと劇場版の物語を連動させており、テレビアニメを見たファンは続編を見るために劇場に行かざるを得なくなっている。
また、「無限城編が上映されていない中国のファンも香港などへ足を運んで鑑賞している。筆者は熱狂的なファンというわけではないが『鬼滅の刃』には確かに好感を持っており、関連グッズは大小合わせて少なくとも100点以上は集めた。これは『鬼滅の刃』に真の愛着があるという証しでもあり、少なくとも何も知らずに流行に乗っているだけの無思考なファンではないという証明でもある」と強調した。
一方で、「正直なところ、無限城編 第一章にはやや物足りなさも感じた」とも言及。「中国のドラマ・映画口コミサイトの豆瓣(douban)では10点満点中8.8点と高得点だが、やはり感情補正が大きいと感じる。物語構成としてはやや冗長で、全体の流れが単調だった。3つの戦闘が中心で、それぞれ『戦闘』『挫折』『長い回想』『覚醒』という同じ構図が繰り返される。そして同作の核心となる竈門炭治郎(かまどたんじろう)と冨岡義勇(とみおかぎゆう)対猗窩座(あかざ)の戦いについても、回想が長すぎた」と指摘した。
また、「炭治郎と猗窩座それぞれの過去を掘り下げる構成は意図として理解できるが、あまりにも頻繁で、これが上映時間が約2時間半に達した原因だと感じる。主人公の回想が終わったら次は脇役、正義側が終われば次は敵側といった脚本の作り方は、少し安易すぎると言わざるを得ない。こうした構成は、無理に話を引き延ばしている『水増し』のように感じられ、物語全体のテンポを損ない、展開がだらだらとして同じことを繰り返しているような印象を与える。少なくとも筆者の鑑賞体験にはかなり影響した」と論じた。
そして、「長年このシリーズを追ってきたファンにとっては、この構成も『らしさ』として受け入れられるだろう。アクション描写は依然として圧巻であり、義勇の『水の呼吸』、我妻善逸(あがつまぜんいつ)の『雷の呼吸』はどちらも美しく、視覚的満足度は高い。しかし、作品単体として見た時、劇場版としての完成度は前作・無限列車編の緊張感と完成度には一歩及ばないと感じる。期待が大きすぎた分、やや物足りなさがあり、まだまだ伸びしろが大きい。とはいえ、同作を見る機会が限られている中国のファンにとっては、細かい欠点など気にする必要もなく、鑑賞できるだけでも十分に価値があるだろう。筆者は今後の2作ももちろん見に行くつもりだ」と述べた。
記事はこのほか、劇場版「チェンソーマン レゼ篇」を挙げ、「驚きがあり、非常に面白かった。狂気的でセクシーで残酷、そして少し感動的でもある。











